[携帯モード] [URL送信]

焦燥

 月夜が輝く下、ムチを乱暴に振る舞う私。先端にはハートがついている。玄の趣味なんだろうなあ。

 いたい、いたい、ああ、さりなさん。と嬉しそうにする彼の姿が可愛らしくてどうしようもない。

「僕を痛めつけてください……」

 なんで、こんな可愛らしい子犬に引っかかったんだ。
なんで、こんな調教のしがいがある子犬に出会ったんだ。

ムチを大地にしばりつけるように打ち付け、玄の体に当てまくる。あざまみれにしてしまうのは、かわいそうだ。

優しい、サド。苦しみ喜ぶ、マゾ。

「踏みつけてください」

「踏みつけるか踏みつけないかは私が決めるわ」

焦らしも全てのプレイに準ずる調味料。
ピリッとしたスパイスのひとつに間違いない。

ハイヒールのヒールで玄の体を踏んづけた。嬉しそうにしてくれてるのが、良い。どうしてもそそられる。

「……勃起なんて余裕だっ……」

ハイヒールの先端、足の付け根部分。そこで玄を蹴った。

ころころ転がる玄。強い立場が弱い者をいじめると興奮する。女王様のような存在でなんだか自分が誇らしくなる。

「あなたが大好きです……」

上目遣いで見る玄もまた、すごくすごくイケメン。

「私もよ」

ふふ、と笑いながら、調教を終えたのであった。
偶然の出会いからまさか、サドになり果てると自分でも思っていなかった。

[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!