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焦燥

 ライン交換をした時、最初は楽しかったのに、だんだんめんどくさくなってくるという悩みが出てきた。

ライン交換をすると、なかなか会話が止まらない。「ひま?」から始まりそこから何時間会話するんだと言わんばかりの勢い。

ゲームしてるときとか邪魔だなって感じるようになった。見てなかった、ごめんって何回謝ることだろう。

申し訳なさとめんどくささが勝っていた。

「詠歌、全然ライン見ないよねえ」

「ごめんごめん」

こんなやりとりばっかり。会話はラインだよりになりがちな生活であーあ。って自分も疲れてきた。

ラインが楽しいのは人によっては違うけど、私の場合はすぐあきてしまう。

通知は、大変。100件超えなんてザラにある。
スタンプは、大量に植え付けられーの。
遊びのお誘いだけは行っちゃう系。

 3人で遊ぶときも、ライン無視系の話は持ち上がる。どれだけ構って欲しいのだろう。

「……詠歌、ブロックしちゃうよ?」

行きつけのカフェでいきなりこんな事を言うマヤは大丈夫なの?

「いやいや、なんで?なんでブロックなの?」

「あまりにも返信しなさすぎでさあ、困るの」

「だからって何、返せないときもあるでしょ……」

返すの当たり前?もうイヤだし逃げたいけど逃げられない。最初から交換しなきゃよかった!

でも、最初の感情はもうその感情だから、感情操作なんて出来るものじゃない。

「返せないときは既読くらいつけたら?」

ミヤが怒り気味の顔を見せる。フラペチーノをずるずる飲む音が耳障りだ。

しかも、ふたり……。目にクマが出来ているが、これって?

「それじゃあ既読無視だね、最低行為かも」

開き直ってしまうわ、なぜかね。

「既読無視って言ってキレるのは、あんたたちだよね」

ふたりはなにも言い返せず、クマで黒い目がびくびくと動いていた。もう1回、言い返しとこう。

「あんたたち、寝た方がいいよ。あまりにもそれは気持ち悪すぎだって」

立って、机を叩いて、私はみっともない。

「さようなら シーユー」

呪文のようにとなえた言葉は忘却の彼方。

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あきゅろす。
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