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れでぃ×ばと if 鳳水蘭×日野秋晴 序章




染井吉野が卒業と入学を祝福するかのように咲き誇るこの季節、無事白麗陵を卒業した、春の柔らかな日差がミスマッチな凶悪目つきの茶髪やんきー・日野秋晴君は今、その夢に向かって一歩踏み出そうとしています。
さあ、新たなドタバタ生活の始まりです!


「日野さん?どうしました?」
空港で、キーン!っと飛行機が飛び立つ音を聞きながらふと今までの事をぼ〜っと思い返していた日野秋晴は、その声で現実に引き戻された。
「ああ、ちょっとぼ〜っとしちまってた・・・・・・悪いな鳳。それ土産か?貸せ、俺が持つ」
どこか心配気な様子の鳳から荷物を預かろうと手を伸ばしたら、荷物を後ろに持って隠された。
「これぐらい大丈夫です、私力ありますし」
なんて言って来る鳳。確かに鳳はかなり武術をやってるからヘタしたら俺より強いかも知れないし力もあるかも知れないが、そこは譲る訳にはいかない。若干呆れ気味に。
「あのなぁ、鳳・・・・・・主に荷物持たして自分は手ぶらな従者なんている訳無いだろう。だから至急その袋をくれ。そして」
俺の言い分におずおずと荷物を俺に預けた鳳にさらに俺は言い募る。
「俺の事は名前で呼べって言っただろ」
これから鳳が主になる訳だしやはり名前で呼ばれた方がそれっぽいし、それに何ていうか・・・・・・鳳には名前で呼ばれたい。まあこっちが本心だ。
すると鳳は少しムッとした表情で。
「なら私の事も水蘭と呼んでくださいって言いましたよね?」
その返答にギクっとして、慌てて言い返す俺ダメだな。
「いやそうだが仮にも従者が主を名前で呼び捨てってのも」
そう、ちゃんと俺なりに考えた末の答えなんだ。忘れてたとかじゃ・・・・・・うん、ごめんなさい。
すると鳳は苦笑して。
「それを言うなら今だって呼び捨てじゃないですか。それに日野さんには・・・・・・その・・・・・・名前で呼ばれたいです・・・・・・だめですか?」
白麗陵に入った時より身長は伸びたが未だ俺より長身の鳳の頬を淡い赤色に染めての破壊力抜群の上目遣いでのお願いに俺は意識を手放しかけ、何とか踏み止どまった。
「い、いや、そんなこと無い!っつーか鳳が主なんだから俺に異論は全く無いっつーか!」
うわぁ、動揺しまくりで何言ってるかわかんねぇ。
そんなテンパっている俺に鳳は優しく微笑みかけ。 「じゃあ今からお互いに名前で呼びましょう、えと、秋晴さん」「あ、ああ・・・・・・水蘭」
お互い名前で呼び合って赤くなる俺ら・・・・・・付き合いたてのカップルみたいだな。取りあえず妙な空気を追い払うようにと秋晴は別の話題を振った。
「にしても、まさか水蘭の所に行く事になるとは思わなかったな」
入ったその日にうっかりドリルの勘違いで痴漢扱いされて青龍刀もった水蘭に追われたのも今やいい思い出・・・・・・になるわけねぇな、あれは本当に恐かった。あの時は刃が落としてあるって知らなかったし。
そんな俺の言葉に。
「あの・・・・・・強引な祖父でごめんなさい、良い人なんですけど・・・・・・あの、後悔してますか?」
申し訳無いとストレートに伝わって来る表情で言って来る水蘭。
うん、ネタ振りミスったな。
「んな訳無いっつの、というか俺なんかでいいのか?本当に。あのメンツの中じゃ結構平凡だぞ俺」
身体能力じゃ大地には勝てないし轟の奴は言動っつーか存在に問題あるがオールマイティに何でもこなすし、三家の奴もわりと万能だ・・・・・・うわぁ俺微妙だなそう見ると。秋晴がそんな内なる葛藤と苦しんでいると。
「秋晴じゃなきゃダメなんです!その、セルニアには悪い事したかも知れませんが・・・・・・」

強い口調で言い切ったのは前半までで後半は聞き取れ無いほどの小声で言う水蘭に。
「そ、そうか」
と怯む俺。水蘭が大声出すとは珍しいな、てかまたNGなネタ振ったか俺。
そんなやり取りをしてると、俺らの乗る便に入るようアナウンスがかかった。
「では、行きましょうか。秋晴さん忘れ物は無いですね?」
「ああ、バッチリだ」
あえて水蘭には忘れ物の有無は聞き返さない。何故なら俺がチェックしているし基本的に荷物は俺が持っている。
水蘭にチケットを渡し、乗り込みながら俺はこれまでの日々を思い返し、これからの日々を思い描いていた。


あきゅろす。
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