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ぱああっと、なにか閃いた様なキラキラした顔で川本に指差され戸惑うあたし。
「あたし、そんなに顔やばかった…?」
「うん、馬路でやばかったって!!ホントにやばかった!」
自分のしくじりに思わずがっくし肩を落とす。
「……す、すまん」
「え、なんで謝んの?」
きょとんとする川本。
その意味がわかるといきなり顔をブンブンと降り始めた。
「いやいやいやっ、そ、そう意味じゃねーよ!ブスとかキモいとか、そんなんじゃなくて、寧ろすっげー可愛かったて俺は言いたかったの!!」
「か、かかかっ可愛い!!?このあたしがっ??」
「なんかそんな風に笑えるんだって俺思わず嬉しくなった!ホント、馬路でだよ!?なんて言えばいいかなぁー……?んーとさ、西野のがいつも以上に女々しくって、ちゃんと女の子なんだなって、感じる柔らかい笑顔だった。」
「………」
「…………」
かああああっ
お互い頬が一気に紅色に変わっていくのがわかった。
可愛いとは無縁だと思っていたあたしの事を川本は女の子として見てくれることに恥ずかしさを覚えた。
照れ臭い。
「あ、あたしさ…」
「う、うん……」
川本も何故かぎこちない話し方に変わっていた。
「あたし実は…」
全身に震えが走るが、無理やり制御を効かせて川本としっかり目線を合わせた。
喉が動かない
あと少しでこの想いが言えそうなのに……
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