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それからしばらく亮の中学へ足を運ばなくなった。


だから会う回数もめっきりと減り、あたしよりもお母さんが亮に会うようになった。


あいつとは1・2年は話さなかった。


せいぜい母が亮と一緒のバスだった!とかいらない報告をするだけで、お互いにどんどん離れていく一方。


でも


もうあのときの意味のわからない衝動は起こらなかった。







と言うのは。





あたしの家の向かいに住む亮の噂をよく耳にしたからだ。


外見育ちは大変いい亮だがらこそ、近所で目立ってあたしが通う中学でもその話題は尽きなかった。





「亮様、この間の彼女と別れてSプリのモデルと付き合い始めたんだって!」



「へ、もしかして榊原先輩の事?」



「そうだよ!他に様つける奴なんかいないって!あたし亮さま一筋だもん〜」



「うわ、ずるっ。あたしも亮さまって呼ぶ!でも本当亮さま凄いよね〜!捨てられてもいいから付き合って欲しいよ!」

亮が誰かと付き合い始めたり、別れたりするとたちまち朝の休み時間にクラスの女たちがその話題を口にした。


亮はもうあたしが昔慕っていた様な奴じゃないって話を耳にする度に思った。
あたしはあの頃の様な餓鬼じゃない。


遊んでほしいと駄々こねてた餓鬼じゃない。



あいつはあいつであたしはあたし。


自分と相手にはそれぞれの世界があって、この世界が全て自分の好き勝手に回っている訳じゃない。


大人の区別がわかってきたから、あいつがなにしてようと気にならなくなった。



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