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わからない。

けれど何故だろう、今日はそわそわして何だか気持ちが落ち着かない。


のこのこ授業受けている場合じゃないのに!


社会の授業中あたしはノートの端をちぎり、ちまちまと文字を書き込んだ。



ごめん川本。


今日用事があるんだ。

だから話はまた別の日でもいい?



(うっし)



意味のわからないガッツポーズを決めると斜め前の前に座る川本へと狙いを定める。


(ゆけ、アポロん11号!)


――――ぽて。


しかし標的に届くことはなく、その手間の障害物に手紙がぶつかると虚しく床に落ちた。


ぬぅっとてを伸ばしそれを彼は広げる。



「―――西野。」


「……あ、はい……。(やばっ)」


そう川本への道程の途中にうかうかと生徒の間を通り厳しい目でチェックをしている社会の先生に命中したのだ。



先生は手紙を広げ、少し黙ってから私の顔を見る。



「…西野」


「……はい」


「お前今日居残り決定だ。」


「うそおおおおおん!!」


あたしは思わず自分の机を叩き立ち上がってしまった。


「あ、いや、お前のこの大切な用事とやらに免じて掃除を一人で済ますことで許してやろう。わかったな、西野?」



…………それでもなんの救いにもなりません。




それでも頷くしかなかった。



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