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それからと言うもの、



あたしは何回も呼び出される事がなぜか日常的になり、奴との顔合わせも多くなった。



(まだ亮は脅す事をやめようとはしないが)



勿論、女子からの目は痛かった。


裏でネチネチあることないこと(あっても大概ひどく湾曲された情報ばかりだが)言われ、知らない女からの呼び出しも何回かされたが。




が、決して全員が全員という訳でもなかった。




亮には好意や憧れの念は持つが、亮に近付く女に見境なしに攻撃する人ではなかった人間もいたので、


声をかけられ、それをきっかけに友達のわくも増えた。




ちなみに、呼び出しされ、多数の女たちに締め上げられそうになっても結局は特化した体育会系であるあたしには束になっても勝てなかったようだ。





ご臨終。







**************





高校にあがり、亮は無事大学受験に成功しお互い楽しいライフを送って……


送って………




やつは送ってるが、あたしはそうでもないな、


うん。



高校に上がって余計に呼び出される回数が増えたのだ。








「な、なぁ、亮……」


「なんだ」


「…………なんでさっきから一言も喋らない…?」


「…………なんでだと思う?」



急に授業中にメールが入り、断ろうとしたのだが、また奥の手をつかって脅されたので慌てて仮病をつかって飛び出して来たというのに。


緊急ではなさそうだ、この様子では。



先程からなにも喋らない。

ブスーと怒ってカフェのメニュー表を見ている。



「さっぱりわからないから聞いてんだよ!」


いちいち質問の答えを焦らすのでこっちもいらいらしてきた。


「はじめ、川本と同じ高校なんだな」


「……そ、それが、何か」


「何で言わないんだ?」


「いや、何故報告する義務が?」


「しるか」


いや、それはこっちの台詞だ。何故川本と一緒では駄目なんだろう?

よくわからない。



「あたしはてっきり、脅すネタが増えて喜んでいるかと」


「だから?」


「?」


「だから俺が喜ぶとでも?……お前はなにか勘違いしてないか?俺は脅迫を生き甲斐にしているひねくれた連中とでも言うつもりか?」


「いや、まさにそれは亮の事を言うよな」


「…………」




亮は黙った。

どう考えても今までの行動から亮イコール脅迫人間と連想できる。


「…………あのさ、あたしだって暇じゃねんだよ。亮には彼女もいるんだからあたしなんかに一々相手させるな。今までアンタが彼女にしてきた女たちにもにも牙を向けられたんだ。本当にもう…懲り懲りだね。」


「は、じめ…?」



立ち上がり際に机を強く叩いた。このカフェテリアにいる人間はただならぬ殺気を感じさせるあたしに注目を向ける。


でもそんなのはどうでもいい。


「……あたしはあんたの玩具なんかじゃない」




そういってあたしはその場から去る。


驚いたのは、アイツがあたしをもう呼び止めないことだ。


まぁ、ここまで言われたら流石にひと欠片の良心といえども人様の都合について考えるだろう。



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あきゅろす。
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