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唐突すぎる話の内容についていけないまま、隣の家に済んでた亮一家は引っ越してしまった。
亮のお兄さんやお父さんの仕事上だから仕方ない事だけど。
家族のなかでも事実を知ったのはあたしが一番遅かった。
またそれがなんか
あたしは悔しくてたまらなかった。
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それからと言うもの。
あたしは
隣の家の明かりがもうつかないと理解して、亮の部屋と向かい合わせになる自分の部屋の窓を閉めた。
ああ、
あたしはなにがしたかったんだろ。
川本がうっかりあたしと亮は近所関係にあったとばらしてから毎日みんなからの質問攻めが多かった。
これは奴の残していった土産というべきか?
とにかく、鬱陶しくて迷惑していたのは確かだ。
「ごめん西野…!本当にごめんっ」
「べ、別にいいって…」
「いや、本当馬路で悪いって思ってる!だからさ、だからさっ!ジュース奢るとかなんか俺に出来る事があったらなんでもいってくれ…!」
「大丈夫だって」
相変わらず川本は可愛い反応を見せてくれる。
まぁ厄介事を呼んだのが川本だと言っても、この反応の可愛さに恨めるはずもない。
素直すぎて逆に励まされる。
「本当になんでも言ってなっ!!」
川本は凄い。
いつだって素直に真っ直ぐに人にぶつかっていってくれる。
ああ、あたしもこうなれたら苦労しないのに、とよく思う。
「俺さ、折角西野と仲良くなれたのに、嫌われたらと思ったら…本当にどうしよって…!!」
どきっ
嫌われたらどうしよって
嫌われたらどうしよって
何度も頭のなかでリピート再生される。
なんだか胸の奥底で眠っていた何かが目覚めた様な
あたしの中で大噴火が起きたような気分だった。
まさかの恋の不意討ち攻撃だ。
そんな嬉しい言葉を言われると、今までの事がどうでもよくなっちゃいそうで怖い。
もう何もかもいらないと言えそうで怖い…!
今まで鬼の形相や、無表情ばかりだったあたしの顔は一気に緩みまくった。
―――川本の力恐るべし…!!
「も、もういいよ。別に怒らないし、いつかはわかることだし、アイツなんかと噂されたってきっと大丈夫だし!!
だから謝らないでよ、……な?」
ぽりぽり頭を掻きながら微笑んでみせた。
最初川本はその様子を疑っていたようだが、これ以上謝るのもかえって失礼に値すると読み、あたしの意見を受け止めてくれた。
「ああ、こっちこそありがとうな!!!」
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