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「…なんで来なかったんだよ」


亮はベッドに飾ってあったぬいぐるみを手に取りいじり始めた。



「べ…別に、いく理由がなかったから…」



違う。

本当は行きたくなかったからだ。あんな光景見て、一人裏切られた気分になって、またそう感じる自分も馬鹿に思えて。

とにかくやになっただけだ。




本当は…



「意外と待ってたぜ?チビがめっきり構ってもらいに来なくなったから」


「……」


「……変なの、お前らしくねぇな。さっきはあんなにきゃっきゃっはしゃいでたくせに」


「あたしは…」


「ん?」


「あたしと亮は元々言えばご近所関係にあるだけで、本当はなんで今も亮がここにいるのかさっぱりわからないよ」


「…」


「だって、関係ないじゃん!亮は亮であたしはあたしなんだからっ!ほっとけよ、なんで今更現れるんだよ!!」






正直涙が出そうだった。





違う、



違うんだ。


本当はやっぱり、あえて嬉しいよ。





あえてこんなにも嬉しいけど


同時に不安なんだ。





なんで
今までは来なかったのに、


今ここに亮がいるのかって





「本当はそんなことを話に来たわけじゃないんだろ?違うんだろ?あたしに用があるって、話すべきものは違うだろっ!!?」


「……」




散々喚いといて、余計に悲しくなる。


苦しくなる。



あたって欲しくない。

あたしの予想が当たらないでと心が悲鳴をあげている。



お願い


違うという、その言葉を聞かせて欲しい!!














俯いたあたしの頭にぽんっと亮は手を置く。



「よく、わかったな。」


「え……」

















「俺ん家引っ越すんだ。
これはその挨拶だよ」




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あきゅろす。
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