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……ちょっと待て。
何故あたしはこんなにもしんみりと奴の事を思ってるんだ?
ああ、馬鹿馬鹿しいっ…!!
やめやめっ
こんなことしたって意味ない。
あたしはどうやら1人で変な方向に話を発展させていく悪いくせが有るようだ。
今の悩みかたなんて、三流の恋愛ドラマでヒロインが愛について思考にふけるシチュエーションにそっくりだった!
てか、完璧にあたしはそれになりきっていた!
「(うわっ、恥ずかしいっ)」
1人で余計顔を赤く染める。
あたしは今っ
あたしは今さっさと亮の言う話とやらを聞いて、さっさと家に帰って貰わなくちゃいけないんだ。
そうだよ、帰らせなきゃっ
なんで大切な使命を何忘れていたんだ!
自分を責めながらあたしはずかずかと亮を引き連れ、部屋に入れた。
(というか亮が勝手にそうした)
***********
「で、話っていうのは何」
「率直に聞くなぁ…」
「当たり前だろ、ぶっちゃけお前なんかと顔をあわせたくなかったんだから。」
「……ふぅん」
きっぱりと言ってやった。
あたしはお前なんかがどうなったって知るもんか。好きにしろ。
あたしに関わるな。
そんな意味を込めた言葉を刺々しく奴に浴びせる。
「……お前、呼ばわりか。随分と変わったなオチビ」
「変わったのはお前だろ、あたしはさほど変わってない」
「まぁ、いいや。」
「……」
亮はあたしのベッドにどかっと座るとあたしをまじまじと見た。
「お前、さ」
「な、なに……!」
「なんにもないの?」
「なにが」
「………」
正面から真っ直ぐの視線を受けるのにこれ程辛いものなのか。
レディをガン見するなんて失礼にも度が過ぎている。
「……やっぱ、ないんだ」
「はぁ…?」
「お前は極めて少数派だな。珍獣と言うべきか」
むかっ
「意味がわからんが、最後の言葉はあたしを馬鹿にしてるとは理解したぞ。」
そう拳を構えると亮はクスクス笑って答える。
「いや、実は俺さ。どっかの馬鹿の提案で女を目で何人落とせるかやってみたんだよ。口だけならなんとでも言えるが、目ではまた違った所が試されるだろ?まぁ冗談半分でやったんだよ。なにも言わず今俺がお前にしたように目と目を会わせてな。」
「……で、どうだったの?」
「楽勝だな。最初は自信なかったが、呪われたように皆面白い反応してくれたから今じゃつまらね。」
「…………」
「………まぁ、久々に引っ掛からない奴にあったったけどな。」
亮はお前の事だよ、とデコピンを飛ばした。
「いてっ、……なにすんだよ!」
「そう警戒するような目で見るなよ。もっと肩の力抜かねぇと」
亮はあたしの睨みをものともしてない様子だった。
おかしいな。
あたしの睨みって結構びびるやつが多いのに。
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