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「ありよしさぁん〜」


俺がいつも通り厨房で暇をしていたとき
情けない声を出しながら厨房に入ってきたのは


「なにさぼってんだよ綾部」

「さぼってませんよー休憩ですー」


有吉さんこそいつもさぼってるくせに何言ってんすかぁ
なんて口を尖らせる一見少年みたいな顔をしたこいつは綾部祐二
クラブのホストであり、熟女キラーの異名を持つ店のナンバー3である


「それより聞いてくださいよ
ちょっと前から来てたお客さん淳さんにとられちゃったんですよー!
綾部くんと居ると一番落ち着くのー
とか言ってたくせに酷くないですか!?」

「ばぁか、それが商売だろうが
お前より淳さんの方が魅力的だったんだろ?その女にはよ」

「・・・・・そうですけど」



来てそうそう文句をぶーたれる綾部にイラついて
そう言ってやると、綾部は叱られた子供のように項垂れてしまった
自分で言っておきながら、なんだがその姿に申し訳なくなって
元気を出させるつもりで頭いっこぶん低いところにある綾部の頭をなでてやった



「まぁ、お前はお前なりにまた頑張ればいいんじゃねぇの?
俺からしたらホストやっててナンバー3張ってるだけですげぇと思うし」

「・・・本当ですか?」

「まぁ・・ホストなんて俺にはぜったい無理だからな」

「有吉さんに誉められるなんて思ってなかった
めちゃめちゃ嬉しいです!!俺、これからも頑張ります!!」



そう言ってやると
綾部の表情が明るくなって、その笑顔に安心した
いつもはうざってー奴だけどやっぱり可愛い顔をしてると思う


「有吉さん!!ひとつ質問いいですか?」

「?、別にいいけど」

「有吉さんにとって俺は何位ですか!!!」



目をキラキラさせて聞いてくる綾部に、内心またかと思う

なんでだか分からないがここのホストたちはみんな同じようなことを聞いてくる
俺からしたら、男である自分にそんなこと聞いても意味があると思えないし
第一、男からしたら同じ男をそんな目で見ないから正直わからないのだ



「お前もかよ・・それ知ってどうなるわけ」

「お前もって、他にも誰かに聞かれたんですか!?」

「誰って・・淳さんとか設楽さんとか後藤とか吉村・・」

「ほとんど全員じゃないですかっ
そっ・・それで有吉さんはなんて答えてるんですか!?」

「いや・・大体わかんねぇって言ってるけど」

「じゃあ俺は!?」

「・・・・・」




(だから、俺に聞かれてもわかんねーって言ってんだろーが!!!!!
てめぇの耳は節穴か!!!!?)



そう思ったけど、口にしなかったのは
目の前の綾部があんまりにも切なそうな表情をしていたから



「・・・なぁ」

「は・・ぃ」 

「お前らは、そんなこと俺に聞いてどうしたいわけ?」

「それは・・・」



ストレートにそう聞くと
言いにくそうに目線を泳がせる綾部


そんなに言いにくいことなのか?
そう思って首を傾げると



「俺はっ・・そのっ認めて・・欲しいから・・有吉さんに」

「俺に?」



なんでだ?



「店ではナンバー3でも、有吉さんにとってのナンバー1になりたいんです!!」

「っ・・///」




真っ直ぐ、射ぬくような瞳でそう言われ不覚にもドキリとしてしまった




「でも・・・ごめんな、本当にわかんねぇんだよ」



そんなに真剣に思ってくれてるなら尚更てきとーな事は言えないし

申し訳ない気持ちでそう言うと
落ち込むと思った綾部は、以外にもしっかりこちらを見据えていて驚いた



「俺、有吉さんにとってのナンバー1になれるように頑張りますから!!」

「っ・・お、おう」

「だからっ、もしそのときが来たら・・・っ」

「きたら・・?なんだよ」



大切であろう部分を云いきらない綾部がにもどかしく聞き返すと
綾部はまた言いにくそうに目線を反らした



「?」

「それは・・そのときに言います」

「?・・なんだよ、勿体ぶりやがって」



綾部のクセに、
そう思いながら眉を寄せるが



「俺、ぜったいに有吉さんにとってのナンバー1になりますから!!!
見ててくださいよ!!!」



綾部は吐き捨てるようにそう言って厨房から出ていってしまった



「なんだあいつ、やっぱり変なやつだな」



思いながら表を覗くと
指名客であろう厚塗りのおばさんに犬みたいな可愛いらしい表情で接客をしていた



有吉さんにとってのナンバー1になりますから!!


ふと、さっきの綾部の台詞を思い出す
相変わらずなんでだかはわからないが




「まぁ・・頑張れよ」




少なくとも、悪意からではないのは明らかなので
一応応援してやることにした。






べ様バージョン!!!

べ様はナンバー3です!!
この子の順位は迷わなかった、マダムたちの圧倒的指示を得て堂々のナンバー3でございます(^o^)/(^o^)/

あらりたんのことは
最初は嫌いだったけど、ありたんのいろんなところを見て気が付いたら好きになってた
そんな設定です(^q^)(^q^)(^q^)






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