同じですよ
「珍しいですね」
「…さっきから何度言うつもりだ?」
場所はいつもの京極堂の母屋。
学校が終わって一目散に駆け込んだ。
そこにはいつも通り不機嫌そうな中禅寺さんが縁側に座っていた。
「本虫が日向ぼっこですか」
「たまには良いだろう」
「そうですね…たまには、ふふふ」
「何がおかしい?」
「強いて言えば全部です」
「……言ってくれるよ」
ふてぶてしく寝転がっている中禅寺さんの横に私も寝転がった。
中禅寺さんは驚いた顔をして
「君も珍しいな」
「何がです?」
「僕と同じで、本虫だったじゃないか」
そう、中禅寺さんと同じなんだよ
だから今も同じように日向ぼっこをする。
(だから私は珍しくともなんともない)
(君、本当は何しに来たんだい?)
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