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短篇
性なるバラストタンク2
この街には工場があった。食品の加工工場であり、短期間のバイトも定期的に募集しているが為にこの付近の学生にはありがたくもあり地獄でもある。人間ならまだしも獣人が働いた場合、毛の一本一本まで甘ったるい匂いが染み付いてしまう。
チョコレートの加工工場。こと生チョコ等冬季限定の商品に関しては取り分け足も早いものであり、加工から梱包、出荷まで迅速に行われる必要も有るものだと。明日にこの工場で作られたチョコレートは、当日に店頭に並ぶ事になる。らしい。

「…………」
「どうした?嫌だったら今なら…」
「違うよ……こんなに人が集まるなんて、ちょっとびっくりしてたからさ……」

ざっと見積もっても三十人余りは居るだろう。こんな日のこんな夜に、こんな計画に参加してしまう人物がこれだけ居てしまうなんてと、兎人は治安を嘆きながらも、少し頼もしくも思える。
傍らの狼人を含めて全員の服装は変わらない。袖口にゴムの付いた白い作業服に頭にはキャップ。こと兎人の耳は長い為、折り畳んで結構な窮屈さを感じてはいる。
しかしその下には誰もが何も纏っていない。さもそれが当然であるかの様に下半身には既に下着も無い者も居るのだから、寒さに縮みながらもふてぶてしい袋や、または縦割れを見せ付けている者も居た。
これから起こり得る事から雰囲気を感じ取っているのだろうか。狼人も既に呼吸音が荒く回数が増えているのが分かっているのだし、兎人も落ち着かない。彼は下半身にはパンツ一枚のみ。狼人はブーメラン一枚。膨らみは際立っている。

「……はあ」

数分の内に更に八人程追加で人員が、その内女性も四人程混ざってはいたものの九割が雄。空調は聞いておらず肌寒いながらも熱気は人が居る事から充満しているのであり、いよいよ時間がやって来たのだ。
監視カメラ他警報装置までも一時的に切られており、警備員も工場内に引き込んでいる。このまま工場の中をごっそりと頂くことも可能なのだろうが誰も行わない。全ては台無しにする為に。より陰惨な方法を、この場に居る者は選んでしまった。

「んぐ…っ……はぁう……むふぅ」

扉が閉じられてから数分しか経っていないだろう。既に空気はチョコレート特有の甘ったるく香ばしい香りからは掛け離れ、熱気に乗った様に淫らな熱が燃え上がっている様に。甘酸っぱさと塩辛さを合わせた淫らな匂い。籠った風味。
工場内に集まった者は各々が盛っており、兎人も名前も知らない初見の熊人の中年の股間に顔を埋めていた。事根元、裏筋から膨らみを重点的にしゃぶっていた。近くには巨大なタンク。
交わりながら精液の類を掻き集め、チョコレートに混入してやる。あの日を淫らに染めてやる。それがこの集団の目的となっていた。なってしまっていた。

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あきゅろす。
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