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短篇
お金の話6
収集を付けようとしながらも他人という不確定要素がある以上はどうにもならず、つまりこの状況を変えられるのは彼しか居ないのだとは理解しながら腑に落ちないものもある。泣き声を間近で聴くのは気分が良くならないもの。
狼人は変わらず剥き出しの下着を纏っているだけだったが、その間近、ソファーの上に座らせられている、両脚を自分で抱え上げて見事な卑猥さを持って開脚している犬人がまた鳴き声を漏らした。その瞳には涙。

「ひゃあうっ!あっ!ごめ、なさっ、ひぅぅぅ!?」
「謝って済むぐらいならぁ!この勃起を沈めなさーい!」

肉を叩く威勢の良い音と掛け声とに合わせて、またハリセンが犬人の睾丸の裏側に向かって強く放たれて既に完全に勃起、根元の瘤まで丸く太らせている犬人が痛みに声を、竿からは先走りを漏らす。
どうしてこうなってしまったのか、まずは狼人が脇腹をほんのちょっとだけ触れた事が起因だとしたらとも考えられるのであったが、プロならばそのぐらい出来るんじゃ無いかと責任転嫁したいなとも思えた。
どうにも奇妙な気分である。涙目になりながらハリセンの痛みに漏らし続ける鳴き声には確かにそそるものがある。非常に興奮するムラムラと来る。
しかしながら目の前で雄の大事なシンボルがばんばんばんばんと打ちのめされている光景は雄として股間が冷えるものがあった。熱と冷気、怖気と興奮。結果として狼人の股間は、半勃起を保っているのだ。

「こーんなトーシロの貧乏な仔だって…あ、ごめんね。ずっと半勃起だって言うのにぃ!君がこんなに勃起させて、恥ずかしく無いんですかっ!」
「ひぁぁんっ、ごめ、や、ごめんなさぃぃ……プロなのに勃起してごめんなさいっ!」
「ほらっ、半勃起、半勃起ぃっ!恥ずかしいんだったら、実績を示しなさーい!」

何だよこれと思いながらもハリセンの勢いは早まり、睾丸がせり上がりそうになっている時に限って、ばちん、と盛大な音と共に一際深く振り被ったハリセンが、連続しての殴打に歪んだハリセンが、

「っいぎうぅぅぅ!?」

犬人の絞り上げる様な声と合わせて、腫れ上がっていたのか勃起し過ぎた様な赤々とした竿から白濁が飛び出した。姿勢によってびゅくびゅくと精液を犬人本人の顔に、上半身に向かって浴びせられ汚されていく。
苦しそうに歯を食い縛りながらその瞳に浮かぶのは心地よさばかりなのではなく、不意に狼人へと振り向いた其処には恨めしげな様子が。明らかに何かを恨んでいる様な。改めてその目には涙が流れている。

「ううっぐぅぅ…許さない、絶対に許さないんだからなっ…僕を、こんな……」「おやぁ!勃起だけじゃあ飽き足らず射精までしてしまうなんて!もうお仕置きじゃあこらぁ…あ、もうピンでの写真は撮り終わったから、上がっても構わないんで」

んぎぃ、と犬人が呻くのも気にしないまま、ハリセンを腰に提げた彼は尻穴に指を突っ込みながら睾丸を掴み取り、そのまま強引に犬人の身体を持ち上げてしまったのである。手提げ鞄の様に運ばれる姿を見ながら、狼人はほっと息を吐いた。
見えたのである。封筒に包まれた五桁が。

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あきゅろす。
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