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短篇
お金の話5
「〜〜っふぐぁ…ぁぁ、か…っ!」

今現在人間は、獣に犯されていた。機械に作り物の雄によって犯されていた無慈悲な激しさを散々味わった身体に、今度は獣本来の荒々しさと遠慮の無さが襲い掛かっているのだ。苦しく熱く、重たい。
それ以上の快楽を味わざるをえなくなっているのも、人間の身体の中では確かなものとなってしまっていた。証拠の様に半透明の薄い汁ばかりを散らしていた人間本来の竿からは改めて白濁が噴き出している。
中身をほとんど全て出し切っていた睾丸は改めて丸々と膨れ上がっており、急ピッチで精液の生成に取り掛かっているのは見た目通り何もも間違いは無い。全ては獣の体液を取り込んだからであった。
精力の増進効果。言い切ってしまっては獣は発情期の雌を望まなくてもその気にさせる為として、そういった作用を竿から滲み出す先走りから涎、血液中にまで含んでいるのだ。なんて都合の良い話なのだろう。

ぐるぐると唸り声を上げながら口の端から零れる涎が目を見開いた人間の後頭部を濡らしている。獣の匂いを着実に染み込ませられている人間はただ絶頂の快楽に悶え狂うだけで、今の状況を拒めもしない。
確りと獣の後肢は踏ん張りながら、強靭な膂力をそのまま使って人間の身体を深く貫いては引き抜き改めて突き上げる、一連の流れは素早く強靭なもので、重たい睾丸がばちっはちっと肉を叩く音を響かせる。
挿入の度に下腹部が抉られその形状を歪に変化、雄竿の形状を浮かび上がらせ引き抜かれる際には僅かに腰が獣の動きに追従している。力任せに引き抜かれている。拘束が無ければ押し潰れてしまう所だ。
引き抜かれる際には腸壁が捲れ上がる様に肉が拡がりきって、先程機械によって注ぎ込まれた白濁が床に溢れ出ている。具合に関しては獣の興奮具合から鮮明に読み取れるのかもしれない。上々なのだと。

「い、ぐっふ…ふ…ぁ、ゃ……やひゃ……ぁ」

小さな拒む声色も何も届きはしないだろう。むしろ最初はきつく拒む様であった具合が更に解れて根元まで容易く飲み込めた人間の中の具合を、
浮き上がる血管を舐め回してくる腸壁の具合の良さに獣は何も答えはしない。ただ犯すが為に堂々と動きを早め、涎混じりの唸り声に興奮を伝え、脈打ち膨張する雄竿からは絶頂が迫る事を、ごぐん、と恥骨がへし折れそうな圧力を持って、咆哮。

「〜〜〜〜〜〜〜〜!?」

もう何も言えない。爆発した様な脈動に火傷をしてもおかしくない様な重たい精液が、獣の精液が瞬く間に人間の内部を満たして下腹部を膨れ上がらせた。口枷を嵌められた口中に酸味を覚える。
同時に湧き上がるのは、先程機械に注ぎ込まれた白濁の中に混ぜられていた雌の卵が、先程注ぎ込まれた雄と混ざり合い、絡み合い、そして。人間は快楽に耽りながら、ただ取り返しのつかない絶望に落ちるのを感じた。

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