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短篇
10
「っ……あ」「……何時でも嫌になった時には言ってくれ…直ぐに止める」

獅子人は誤解した。いよいよ事に及ぶが為に身に纏った衣服を脱ぎ去り、この室内に服を纏った者は居なくなり。改めて見る事になったその裸体と恵まれた体格に、改めて半竜は気圧されてしまう。
自分の倍はあろうかと思う様な肩幅の広さや腕の太さ、余分な脂肪が見られない幾つかに分断された腹筋や同じく張り出した太腿、美しくもグロテスクなその股間が、何よりも半竜の恐怖心を刺激して来る。
普通の人間には存在する、体格を除けば在り来たりな獅子人にも当然備わって居る股間の袋は、半竜の掌では覆えはしないであろう大きさと丸々と肥えた張りを持って、それだけでも別の生き物の様な印象があった。
加えて反り立って居るのは、体格に見合った微塵の自重も見られない屈強な竿の先端から、粘っこい先走りが玉となって滲み溢れて居る姿である。それだけならばまだ良かった。

「……安心しろ、根元までは入れないつもりだ…良いのならば是非とも、やってみたいが……」
「……それ、は…あぅぅ……」

一般的な猫科の獣人、雄の生殖器には肉の返しとも言える、棘とも言える微細な突起が備わって居り、一般的な雌雄の交わりにおいて雌の胎内を刺激する事で排卵を促すとされる。
痛みを伴う刺激であったが、だからこそ猫科の獣人は標準的な雄のサイズが他よりも細め、或いは小さめなのだとすら計測結果まで出て居るのだ。獅子人の様に巨大な相手は除くが、更に獅子人の場合は。
突き入れて引き抜いた際に刺激する様な肉の返しどころか、歪な肉の疣が半竜の肉棒全体をびっしりと寄生して二回り以上膨れ上がった様な、おぞましい代物にまで変質して居たのであった。
ここまで異常な形状に変化するまで、獅子人はそれだけ使い込んだという事なのだが、どれだけの修羅を股間に与え続けたかは割愛しておく。
竿と玉とがそれぞれ獅子人とは違った別の生き物の様に。内腿に触れる先端もやたらと熱く、煮え滾って居るのが、猛って居るのがそれだけ感じてしまって。そして。

「……あ、あが…ぁ……っ……」

慣らして居るとは言え、先端を先走りで十分に滑らせたとは言え、その巨大さだけは侵入に十二分な時間を要する事となり、それだけ半竜は中に確かな雄の感触を味わう羽目になる。熱く逞しい、それだけでは済まない複雑な凹凸が擦れるのが分かる。
獅子人がそっと身体を覆いかぶさりながらも、体重までは預けたりはしない。実に緩やかな動きで腰を進め、時々にはその口よりぐるぐると嬉しそうな鳴き声と呻きを発し、

「っ……なん、で……っ!?」

三分の一も満たない侵入の果てに、獅子人は射精してしまって居た。脈打つ感覚にどろりとした液体が更に腸内に流れ込んで来る感覚。半竜が戸惑ったのは、それだけでは無い。一度の放出だけで萎えないという点。
そしてもう一つ。先程放ったにも関わらず、再度もう直ぐ達してしまいそうな程に、脈動と膨張が収まって居ない。更に侵入を進めながら、既に数度の放出を半竜は味わう事になる。

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