[携帯モード] [URL送信]

短篇
8
歩いて連れ込まれる事となったし詩人の家は至って有りきたりな余分な物の一切存在しない、しかし傭兵としてだろうか、寝室の壁には数本のナイフが掛けられて居る。
防具の類が一切存在しないのは違和感しか無いだろうが、獅子人の特性の限り彼には一切必要が無く、それ故に丈夫な服さえあれば十分であった。まめに洗濯して居るのか、室内には爽やかな石鹸の香りが漂って居る。
が、今の半竜にとっては、人間と混ざった事も有ってか鋭敏な嗅覚が捉える血の香りに、すっかり発情してしまったという有様である。寝台に寝かされた頃には、ろくな抵抗すら出来やしない。
どうするのか自分一人での処理の方法も分かるし、雄同士で何をどうするかとかいう知識だけでは存在して居た。遊び半分で見せられた本の中に、トラウマになる様な光景が入って居たのを覚えて居る。
が、こうして自分がやる事になるとは、思いもしなかった。それ以上に半竜自身、獅子人が相手ならば、と発情に浮ついた気分の中で、確かに許して居る自分に驚いて居た。

「……嫌だったら、言ってくれ。すぐに止める」
「っ…………」

頭を撫でようとはせず諭す様な口調での言葉で、最後通告を息を荒げる半竜へと語る獅子人。その瞳は半竜を此処へ連れ込んでから全く揺らぐ事は無い。雄々しい本能に満ちた、鋭い眼光で有る。
何も言えなくなるどころか、それと視線を合わせるだけでも身体の奥底が熱くなってしまうのが半竜には分かった。興奮から次第に、期待へと感情が変化しつつある。少し間を置いてから、獅子人はいよいよ動き始める。
同じく寝台の上に乗って軋んだ音を響かせ、血を洗い落としてやや湿り気を纏った掌をそっと半竜の頬に触れさせ、纏った服をそっと脱がせ始める。人間の体毛が無い地肌が露出して、尻尾が軽快に揺れる。
体毛の薄さと濃さとの違いはあれども、半竜の場合はその髪と髭以外の体毛が見られなかったのがまた、獅子人にとっては新鮮で、極めて綺麗に見えた。胸元から臍を肉球で撫でてやりながら、次には下半身へ。

「……これは」「……珍しいです、よね…僕からしても、思います」「……とても、素敵だな……」

ズボンとパンツまで脱がしてしまった其処には、男性器と呼べる物は何一つとして存在して居なかった。尻穴の窄まりが奥まった箇所に有ったが、オスとしての竿も玉も何一つとして見えない。
其処に有ったのは、竜人や蜥蜴人特有の、性器をしまい込む為のスリット。滑らかな無毛の中の縦割れはその内側の淡い桃色を見せており、粘液に満ちた艶かしい姿が獅子人の目の前で露わになって居る。
指先を使って肉を掻き分けると、確かに胎内で屹立した雄が目に入る。如何にも敏感そうな内側の肉質に、口の中には自然と涎が溢れ出して居て。気が付くとその股間に、がぶりと食らい付いて居た。

「……っ……!?」

痛みと紙一重程の煮詰まった刺激が、半竜へと襲い掛かり身体が跳ね動こうとしたが、太腿を押さえ込んだ獅子人が快楽から逃れられない様に。ざらついた舌先が肉を削り取るかの如き刺激が、
まだ勃起をスリットから露出出来ないままの半竜に何度も襲い掛かった。

[*前へ][次へ#]

8/12ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!