[携帯モード] [URL送信]

短篇

「実験三十日目(第二実験十八日目)」

やはり予想は間違って居なかった様である。早い者は既に発情期の兆候こそ収まって居るが、Cの室内から溢れる…その通り行為中でもCが眠っている最中でも匂いを室内に流し込めば、獣人は忽ち発情してしまう。どんな時でもである。
Aの部屋には半日おきに、Bの部屋では一日置き、カップルの部屋は不定期に、単独側は四六時中。その通り、どんな時であっても匂いを流した途端に荒々しい初期の発情状態に陥り、襲い掛かるのである。
持続性も存在し、単独側は流し込んでいる間延々と自慰を続けながら生身の相手を何度も連続して要求して居た。自慰用の道具を渡せば直ぐにでも使い切ってしまう程である。服は既に着る事無く、Cの衣服は忽ちに全体を放った精液で汚す。
実験も三分の二が経過してしまったが、第二実験によって此処で劇的な変化が現れて来て居た。世の中に発情誘発剤出回っては居るが、今回ではCの身体から溢れる匂いで発情を誘えるのだ。医薬方面に新たな方向性で開拓出来るかもしれない。

「実験三十一日目(第二実験十九日目)」

今では毎日殆ど毎日の様にCの室内に獣人を通して居るが、ふと思い立って本日行為に赴く獣人の視覚、聴覚を塞いだ上でCの部屋に通し、身体の変化を調査する事にしてみる事に。
初対面の相手にも関わらず、本日通した獣人の八割以上が発情期に近い兆候を確認出来る。行為が終わった後に聞いてみれば「興奮する匂いがしたと思ったら猛烈に性欲が湧き上がっていてもたっても要られなくなった」「気持ち良かった以外はあまり覚えてない」との返答。
此処まで好奇心を擽り、本来の実験に何の変化も無かったとなれば最早湧き上がる興味は止まらない。既にABカップル三組ともCの匂いを流した以外は殆ど発情期は収まって居る事が確認出来る。
これ以上の成果は殆ど得られない上に三組共甘酸っぱくて調査の為の観察までも億劫になって来たと感じる事もあるので、期間を切り上げて終了する事にした。

本実験結果:明確な異性の相手が居る場合、若しくはある程度の処置を施した同性の相手が居る場合も発情期の期間短縮にある程度の効果が見られる事が判明した。身体を重ねる相手が居なくとも発情期であるという理解者…例えば友人や親族等が身近に居る場合も収まるのが早まると考えられる。

以上の結論を持って、実験を終了する。翌日以降の予定していた期間は全て第二実験に回す。延長も十分有り得る事を此処に明記しておく。

[*前へ][次へ#]

7/10ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!