[携帯モード] [URL送信]

短篇
バサド-5
確かな体温が伝わり、仄かに布地に触れていた湿り気を鼻先で味わい、吸い込む程に雄臭さと風味と甘ったるいチョコの匂いが着実に漂って来る。
直接股間を顔に押し付けられていた時よりも圧倒的に色濃く感じるのは気のせいでは無い、何でだろうかと疑問を挟む余地も無いとは、脱がされた下半身の服にまで飛び散る量の精液が溢れた事から存分に伝わっているか。

「これで二度目だぞ、俺の匂いだけでお前がイってしまうというのは……」
「っっっ……ご、ごめん、なさい……っっ」「だが許そうっ!何せ俺はバレンタインサンタクロースドラゴンだっ!寧ろあと一度出さなければ収まりが悪いぞっ!」
「あふっく、くぁ、むふぅぅ……っ!?」

威勢の良い声で許してくれたのと同時に、達したばかりの竿を更に尻尾が絡み付いてぐじゅぐじゅと扱き始めていく。
敏感さを増したまま尿道の中に残っていた精液が溢れ出しながら、喘ぎ声が溢れ出す度に密着した褌の布地を食む事になる。
絶対にやってはいけないとか、竜人であったならば確実に許してくれるのかもしれないが、僅かにでも舌先に触れてしまっただけで、その味がまざまざと人間の味覚を犯してしまったとなっては。
布地の隙間からその楽しげな顔が見えているのに、気が付けば竿を扱かれながら、動きは従順に蠢いてしまいそうに。

「ぅぶ、っくふ、んぅぅっっ……!」
「おぉっ……とうとう俺の褌すらも味わうなんて、それはもう本当の本当に気に入ってくれたみたいだなっっ……ふふ、もう辛抱堪らんぞっ……!」
「くぅぉぅっぅっ!?」「ならばっ早い内に解しておかなければなぁっ……おお、思ったより入るではないかっ……!」

マスクでも味わっているかの様に、遂に褌の外側に舌先を滑らせ、布地の感触と痺れる様な雄の風味を自ら味わっていく事になる。
背徳的に、それでも竜人は何とも楽し気に笑みを浮かべていきながら、踊る尻尾の先端は粘液を纏っていやらしく光り、そのまま更にくねって人間の尻穴を探り当てていく。

「っふ、むぅっぅっ……んふ、ぁぅぅっ……」
「本当に味わいたいのならば裏地だな……良いぞ、その顔も……まるで俺の全てに陶酔してる様な……バレンタインと正月とクリスマスが一挙に来たかの様な喜ばしい顔だ……」

快く受け入れてくれたばかりかひょいと布地が引っ繰り返され、今まで竜人の縦割れを、今では興奮に合わせてびくびくと表面の肉を盛り上がらせている股間に密着していた裏地が押し付けられていく。
帯びた湿り気が唾液ではない、一際新鮮な匂いが漂っている。こんな事までは思っていなかったかもしれないのに、ずっとこうしていたかったといった気分すらも溢れて、尻尾が尻孔の表面を撫で擽り回す感触にまだ身体の善がりは止まっていない。

「んぃいっっ……は……あ……ぅっ……」
「折角上げたのだから褌はそのままで構わないなぁ?そろそろ……っく、ふふふひ……俺の身体の方も、頼んでもらおうかっ……」

そして突き付けられたのは、竜人そのものの縦割れ。滑らかなクリーム色の中で、赤黒い割れ目の肉が際立っていやらしくグロテスクに見える。
やはり漂って来るのは雄の匂いと、甘ったるいチョコレートの風味。バレンタインに因んでいるからと身体の中まで甘い匂いがするのは何か違うのではないか、といった疑問すらも抱かせられない。
少しばかりずらされた褌が人間の首元辺りにずらされて、差し出されるのは褌も何も無い、生身で剥き身の股間部分。

「はあっ、んぁ……」
「直接の俺が苦手ならば、トッピングもいるかい?」
「へえ、っっ……?」

気が付くと竜人の片手には小振りなカップが握られており、漂っているのはより深く甘ったるいチョコレートの匂い。
バレンタインだからチョコレートを性的な物事に持ち込む必要性まではないのではないかといった疑問すらもあっさり掻き消す程に、その色気は甘味に調和してすらいた。

[*前へ][次へ#]

5/12ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!