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短篇
バサド-4
どうしてこうなってしまったのかといった疑問や違和感を抱く暇すらも既に存在せず、気が付けば人間の身体は仰向けに寝かされてしまっている。
胸元、というよりは首を挟み込む様に竜人の、彼が言うにはバレンタインサンタクロースドラゴンの張り出した両腿がせり出し、横たわった人間の顔に褌が押し付けられている、という状態であった。

「っはっ……ふ、く、っぅぅっっ……!?」
「ほれほれ、そんなに匂いだけで達し続けるなんて……早く脱がしてくれるんだな、君へのプレゼントになるのだから……」

殆どゼロ距離で踊るハートマークを前にして、匂いだけでも相変わらずズボンの染みを拡げ続ける程には、仕上がっている。
それとも竜人の漂わせている匂いと人間との相性があまりにも良過ぎるのかもしれないが、このままずっと過ごしても構わないといった何かしらの願望を押し退けながら、
やっと両手は震えながらも竜人の股間を、股間を覆い隠している褌の締め込みに指を掛けた。
ついでに尻肉にも触れる事になるがぎゅっとした筋肉の凹凸を感じて、柔らかさは何も無いという根本的な異なりを感じ取り、それもまた興奮であった。

「っ……く、えっ……ぁっんんんぅう!?」
「ふふふ、結び目を解くだけで構わないぞ……そうしたら俺の、この俺の褌は君の物……」
「ちょ、あっく……か、硬いで、すっ……!」

間近に迫る布地越しの縦割れを鮮明に捉えてしまいながらも、どうにかして結び目を解こうと努めてみるが。爪の一枚すら立てられない程に、頑なに締められた結び目を味わう事になる。
手の付けようのないどころか、このまま両手で褌を抱えて上体を引き起こせそうな程に固く立派であるのである。漂って来る雄臭に誑かされ、純粋な力強さを間接的に理解して。
そんな勇ましさすらも何とも曖昧に愛おしく、またしても身体が大きく脈動したのが分かってしまった。このまま、ずっと達し続けておかしくなってしまうのではないかと思える程に。

「っふ、ふぅっぉ、ぁ、ひゃぁぁっ!?」

そこで股間を何かに撫で上げられた様な感覚が走り抜けていく。ぞわぞわとすると何が起こったかと思えば、竜人の尻尾がしなやかに動き、濡れそぼった股間を撫で上げている。
そのままベルトも何も存在しないゆったりとしていた部屋着を纏っていた人間の下半身の衣服を、太くもしなやかに動く先端が脱がしに掛かっているのだ。

「ほらほらどうした、このまま俺が脱がせる方が先になってしまうかな?」
「は、っは、いっああぁぁっ……ま、って、えぇっ……!」
「大丈夫だとも、俺だって興奮しているのだからなぁっ……ほら、早くしないと穴あきの褌が君へのプレゼントになってしまうぞ……?」

間近で漂う匂いが強まっている事が気のせいでも何でもないと、ぎちぎちと音を立てる褌の内側に、露骨に盛り上がり湿り始めた布地の様子が浮かんでいくのが分かる。
やはり漂って来るのはチョコレートの甘い風味なのだなと思っている間に、ズボンの内側に尻尾の先端が入り込んで、内側に鱗を帯びたじゃりじゃりという感触が響いていった。

「っく、ひ、っふ、ふぁ、っっ、ぉ、ぁぁぁぁぁ……!?」

焦りが僅かに浮かんで、それ以上に何かの得体の知れない感覚が、本能的な意味合いで何かが余計に熱を帯びていくというのが分かる。思っている間にぐっと両手で持ったまま結び目をしばし揺らしていると、爪に掛かった感触がする。
ほとんど手探りで褌を脱がせられたとほぼ同時に、尻尾の先端が摩擦によってズボンをずり下ろし、布地以上にびしょびしょになっていたパンツの中まで先端を捻じ込んでいく。

「おおっ……そうだ、やっと緩ませられたな……そのまま解けば良いんだぞっ」
「は、はひ、っぁあぁぁっ!?」「っふふ、君のチンポの方ももう辛抱堪らないか?」

結び目を解いた途端に、両手が急にすっぽ抜けて。
同時に股間を覆っていたハートマークの布地が落下していき、そのまま腰を浮かせたのと合わさってまだ体温の残る褌が、人間の顔と完全に密着し。

「っっふ、っぉ、ぉぉぉっっ!?」

尻尾に絡み付かせていた人間の竿からは、またしても精液が飛び出していった。


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