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短篇
バサド-2
全ての属性がごちゃごちゃしているというのに、何故かその基盤として存在していたのは紛れもなく屈強な竜人の姿があるからこそ。
おまけに画像で見ていた物に比べると褌の前袋に関して言えば殆ど膨れ上がっているものではなく、玉袋の存在していない縦割れのみがその股間に収まっているのだろうとまで理解が出来る。

「んんー?そんなに俺の股間を見てしまっているだなんて……まさか気になるのか?」
「……あ」
「案ずるな、何を隠そうこの俺はバレンタインサンタクロースドラゴンなのだからなぁ!欲しいものがあったのならばサンタクロースとして答えてやろう!」
「は、はい……あの、気になり、ます……っっ……」

堂々とした態度を浮かべたまま問い掛ける竜人に対して、既に人間の顔付きは赤らんでおり、股間に目を向けているのに顔をまともに見れない程には恥ずかしがってもいる状態。
人間しか居ないこの世界の中で竜人である相手を曲りなりにも受け入れてしまう程には人間は相応にケモナーである。ついでに屈強な肉体とか褌の膨らみが気になる程度には拗らせているタイプであり、
突然の来訪者と合わさって落ち着く程に、竜人の姿が色々と理想であった竜人の姿である事が圧倒的に理解出来て。恥ずかしそうにしている姿に、一層楽し気に竜人はにっこり歯を見せて笑っていた。

「ほおぅ……もしやと思っていたがまさか俺の様な相手が好きであるとは……今すぐにでも抱き締めたりなんやかんやしたいのだと、そう思っているのだろう?」
「あ、え、いえ……そこまでは思っては無いかも、なんですけどっ」
「何せクリスマスと正月とバレンタインだぞ!単純に考えて他の日の三倍エロい事をやっても良いのがこの俺、バレンタインサンタクロースドラゴンなのだからなぁ!」

どん、と拳で胸を叩く謎の頼もしさを見せ付けながら担いでいた袋を降ろしていた時には、人間の頭の中に考えられる余裕も無くなってしまっている。
いやにサンタ服の前を開けている事にも気が付いてしまったし、改めて天井に角が触れそうな程に巨体であったし、尻尾の太さも長さもまるで理想的と言うべきか。
堂々と胸を張って仁王立ちする光景を前に、そんな日だったかといった疑問も全て吹き飛んでしまうもの。

「おっと!褌の日だって忘れるべきではなかったか……よし、もしも俺とあんな事やこんな事やエロい事やエッチな事がしたいんだったら、褌を脱がしても構わんぞっ!」
「っっ……あ、ええ……」
「さあどうだっ!どうか好きに触れよっ……今の時期まだチョコレートは室温保存で構わんからな、ふっはは」

問答無用の豪快さは竜人本来の気質であるのか、それとも人間が招き入れてしまったのか。
誘う様に腰を揺さぶっていく姿を前にしたならば、何も断り切れず、今更追い出せもせず、赤ら顔のままその場で膝立ちになって股間との高さを合わせてしまう程には惹き付けられている。

見上げた先で笑う竜人の口元から牙を覗かせている様子。そして目の前には紛れもなくハート型を模した褌が一丁。
種類に関して詳しいものではなかったが、股間をぎゅっと巻き付けている紐は捻じれておらず、近くで見据えると食い込んだ布地が一筋の線を股間の中心に浮かばせている事まで分かってしまう始末。
それが何であるのかと気が付いた途端にびくっと人間の身体が興奮で震え、自然と湧き上がる唾を音を立てて飲み込んでしまっていて。

「おおぅぅっ……っふ、やはり人間の両手はぺたぺたして温かいなぁ……」
「っ……あ、の、あのっ、間違ったなら、ごめんなさっ……」「ハレの日に免じて構わぬとも!」

尚も笑いながら頭を撫でられたならば、もう思考の大事な所が熱されていくのが嫌でも分かるものだった。

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あきゅろす。
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