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短篇
上暑-9
完全に肉体の全てが密着した格好になっている。胸毛によって人間の顔は埋まり、腹毛と陰毛の境目当たり人間の肉棒から何まで押し付けられたまま。
既に散々に絶頂を続けた挙句に萎えた調子を見せていながら精液なのかどうかも分からない汁をびしゃびしゃと布団と竜人の身体に染み込ませている事も関係無く。自然と抱き締めた人間の身体で、脈動が分かる程に腹の肉を脈動させる。
と、そこまでやってしまった所で、まだまだ日中である事を思い出してしまった。

「っぐ、がぐ……っくふぅぅぅっ!!」
「っおぉっご、が……あ……あぁぁぁぁ……!!?」

抱き締めた勢いのまま放ちかけた咆哮をどうにか噛み殺して、人間の口までは塞がない様にして。
くぐもった声色よりも大きな音を腹の内側から響き渡らせる様な粘っこく重たい音が、ごぼごぼと音を立てて腹の奥底に響き渡っていく程の、圧倒的な射精。
既に散々に吐き出させられ続けていた人間の射精量をものの一発目で上回り、熱と重たさは腸内で煮え滾っているのが分かる程。
更に続く射精は分単位で続くのではないかと思わせるには十分で、実際に汗ばんだ身体に体毛までも震わせ、完全な結合を遂げた身体の奥底に長々と注ぎ込んでいく。

もう声も出せない。擦れ合った身体に体毛から溢れる汗が、零距離で人間の頭の中を焦がし、満たし、胎内で一杯に吐き出される事にさえも至福を感じていく。
吐き出し続けた肉棒から完全な勃起すら離れて行っても腸内から前立腺を打ち貫かれ押し上げられたまま続く快楽と刺激は尚も止まる気配も見せず、雌としての悦びが身体に刻み付けられる。

「……っは……っはっふぅぅ……ふへ……あーっ……普段の何倍出しちまったか分かんないっすねえ……先輩、生きてるっすか?」
「は……ぎ……………」
「うおっ、何か申し訳ねっす……」

やっと射精が落ち着いた頃には結合部からどぼどぼと溢れた完全に黄ばみ隆起した精液が人間の腹の奥底から下半身までも汚している始末であり、人間は完全に表情から精気を失いかけてすらいる有様で。
どうにかしてまだまだ萎えきっていない肉棒で最後まで腸肉を抉りながら引き抜いて、流れ落ちる精液に尻穴は完全に使い込まれ。
それでも虚ろな表情をした人間が竜人の匂いに興奮したまま余韻に身を捩らせている姿に、自然と竜人の身体も再度ムラついて来るものであった。


「勢いで済むものじゃあ、な、ない、だろぉっ!」「……いや本当にすまねっす。先輩があまりにやらしく見えたもので……」

だがしかし。本当に壊してしまうのでは無いかといった理性と、曲りなりにも一発吐き出して落ち着きかけた精神が、二度目の行為をどうにか押し留め。
とりあえず布団ごと包んだ人間の身体を脱衣場へと連れ込んで、精液を洗い流して尻孔に指を突っ込めばまだまだ締め付けて来る感覚。

縦割れから勃起しっぱなしの竿を背中に擦り付けるついでにと勤しみかけた所で、漸く人間が竜人の胸に拳を叩き付けた事で理性を取り戻したのを伝え、風呂場から竜人を追い出して身体を一人で清め。
それでも着る物が無いのでタオルも上着も竜人から借りて裸体を纏ってから、シャワーの音と扉越しに聞こえる竜人の声に怒りを孕んだ声で応対する。



「具合とか良かったってのは慰めになるっすかね……いやなんかもう、すまねっす……こんなんやってるともう俺の身体に毛が生える事とかもう、どうでも良いっすよね」
「そ、そうだよっ……!もう毛が生えてるとかどうでも良いしっ……別に引いたりこれから仲良くならないとか、俺には無いからなっ……!」
「……え、マジっすか?」

但し、強引に抱いた事に関して言えば全力で責任や治療費や今後のアレやらこれやらをやっても構わないぐらいには良いだろうと。
改めて全身を清めて風呂場の扉を開き、驚いた竜人の表情と対面しながら口を開こうとして、

「っふぁぉっ!?」

言葉の代わりに溢れたのは、何とも言えない声だった。

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