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短篇
上暑-6
何故に人間に毛が生え、獣人の毛は荒っぽさを増し、幼かった頃のふわふわとした毛足を保っては居られないのか。
どちらにしても成長の為でもあり、人間の場合は原始的な時代の名残として雌を惹き付ける体臭を強める為に毛を生やすのだとも言われている。
獣人の場合も大体同じ。漂って来る匂いの中には色香を交える様になるが、本来ならば体毛の生えていない竜人に毛が生えた場合に何が待っているのか。

「っふ、ふぁぁっぅぅぅっ!あっひ、ひぃっ……ひふ……ぅ」
「……あれー?先輩なんかこう……えっと、あの、大丈夫っすか?」

人間を後輩として慕っていた竜人の場合には、今まで身体の内側に溜め込んでいた様なフェロモンを纏めて染み付けていた状態となってしまっていた。
毛根の内側から溢れ出でるフェロモンは発散しない様に油脂分やら何やらで体毛の中に固められていたが、今現在の人間の場合に直接嗅がされた場合は強烈に叩き付ける様な刺激が貫くのだ。
絨毯に寝そべっているというよりは比較的柔らかめなブラシが顔に押し付けられたかの様な感触が走ったかと思えば、鼻先で何かを吸い込んだ途端強烈に、そして直接的にフェロモンが脳髄を駆け巡る。
ある程度の過程も全て吹き飛ばしている様に、脈動する竿から濁った汁を溢れさせてから、やっと解放された人間の竿は目に見えての屹立を始めていく。

「……っだ、大丈夫じゃねえって……って、あっ…何、したんだよお前ぇっ……何かずっと、顔、熱いぞっ……」
「そうは言っても匂い嗅いだだけじゃないっすか……見るからに興奮とかチンポとか飛んでもない事になってそうなんすけれども……」
「し、知らないっ……俺がこんな事になってるなんて、絶っ対にお前が何かやったんだろうがぁ……っ……?」

既に言葉の威勢も無くなってしまっている様に調子のふやけた声色を返してしまいながら、顔だって赤らんで完全に勃起した竿からは大きく鈴口も膨れ上がり、重たい先走りで自然と竜人の布団の上を汚してしまっている。
全身だっていつの間にか汗ばんでいる、身体が熱以上に火照りを帯びる。何かが起こっているというのは竜人の目からしても分かり、その上で漂っている匂いは雄のそれ。

「本当に俺のせいだって言うんだったら、ちゃあんと責任取って発散させるっすよ……ちょっと失礼っ」
「っはぐ、っぁ」

今更謝罪やらを行うというのも違うというのも、既に当てられてしまったならば発散するしか方法は無いだろうというのは竜人も何となく、それ以上に本能が理解出来ている。
なので言葉よりも先に行動と、握り潰してしまわない様に加減を備えた指で立派に張り詰めて、今更先走りを散らしているのが分かった人間自身の竿をそっと握り締めて、

「っは、っやぁぁぁぁあっ!?」「うわっ!?……って、元気っすねえ先輩……」

指紋や肉球も備わっていないぴったりとした手触りが竿全体を包み込んだ弾みで、容易く絶頂にまで至って精液を飛ばしてしまっている。
勢いよく放たれた精液の質すらも異なる者だと全身を駆け巡って行った性欲と尿道の中から押し退けられる奔流から理解させられてしまう。溜まっているだとか言う問題ではなく、根本的な違いが。
ぼこぼことした塊が粘液の中に混ざって押し出されているかの様で、呆気なく暴発した射精が人間の胸元から竜人の身体にまで飛び散る始末であった。

「はっ…っはぁぁぁっ……はっ……!」
「もしかしたら俺の毛の匂いとかでこんなに発情しちゃってるんすか?相性がいいのかも知らないっすけど、こんなに俺の身体も布団もザーメンで汚しちゃったんなら……責任だって取るべきっすよね、へへ」
「こ、ここで笑ってるのかよお前ぇっ……」

状況と発情を粗方理解してしまった上で、胸元の精液を指で掬い取りながら牙と舌を見せて何ともにっこりと笑う。
ついでに理由と大義名分だって理解したのか、尻尾が楽し気に揺れるぐらいには喜んですらいて。

「んぐぅぅうぅ!?ふぁうあぁぁぁっ!?」「おっと、やっぱり股の毛…股毛って効くんすねえ」

竜人の股間が、生やされたての陰毛が人間の顔に押し付けられた途端に、触れないまま肉棒から再度精液が噴き出して行った。

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あきゅろす。
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