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短篇
装いの9
人間が本当に死んでしまっているのか、死んでしまっているのならばこの先どうすれば良いのか、どうすれば良いのかというのは、どうすれば良いのか?
頭の中に沸き上がろうとした困惑と驚愕が、精液を塗り込めた指先が尻孔に丁寧に捻じ込まれて中の肉まで弄り回される感触に掻き消えていく。
一層薄暗く見える空間の中に、カボチャ頭の中を照らす灯りが際立って見えているが。今では蜥蜴人の体温、その全身から漂って来る雄の風味までも鮮明に感じ取れていく。

「っはあぁっ、ひゃ……あ、何、でぇ、ぇっ……!」
「へへ、指先に塗ったザーメンだけでこんなに感じてやがる……生きてても死んでるにしても中々良い具合だぜ……」
「……っおっぐぅぅっ……!?あ、あいつっ、何かやってる、だろっ!?」
「さっき言った通りだよぉ。死人は肉体を失った以上精力や精気を取り込まないと駄目なんだけど」「彼の精力は並の人間とは段違いですからね。素直に受け止めてしまったならば、ああなるのも無理はありませんよ」

知人がやっとカボチャ頭の肉棒から解放され、紫がかった太さも長さもカリ首すらも圧倒的な肉棒が湯気すら立ち昇る程に存在感を示しながら、兎人の両腕に移されて。
問答無用で中程が一番太くなっている尖った肉槍に再度貫かれている間にも、ぐりゅぐりゅと複数本の指先が彼の中へと入り込んで精液を丹念に塗り付けられていく。
やっと悶えていく。顔に赤みが差し込み、尻孔を好き放題解されて身体が悶えるぐらいに反応だって良くなり、暴れる身体を四肢に絡みつく包帯が丁寧に絡め取って距離を離す事を許さない。

薄暗い悩みに取り込まれようとした身体が快感によって強引に呼び覚まされていき、包帯による拘束の中でも逞しく抱き上げる腕の太さは人間を問題無く支え上げてくれている。
頼もしい。気持ち良くて、時々太腿に掠める肉槍の歪さと逞しさだってそれ以上に備わっているのが熱く。
片手の指が四本揃えて咥えられる程に解されたのを確認してから、両膝の裏に通された両手が人間の身体を更に卑猥な恰好のまま抱き上げた。

「よおし、それじゃあ上か下か……っへっへ、ハロウィンにしちゃ随分とエロいな、どっちにしてもチンポだけどよぉ……?」
「これからヤるにしても下らないねぇ……」「っはぅぅぅ……ほ、欲しい、です……チンポ、が……っ」
「ほら見ろよ、下らねえって言ってる割にはちゃあんと答えてくれたじゃねえか……」

思った以上に暗くなってしまいそうな頭の中を、笑顔と肉欲によって掻き消してくれるのならば。
甘く身体に痺れ、走るのは快感と合わせて精気によって人間そのものが満たされる感覚にも似ているもの。だからこそ他でもない人間の言葉によって、了承する。受け入れて、求めたがる。
応える様に蜥蜴人の身体は何とも楽しげに笑ったまま緩やかに人間の身体を下ろし、尖りを帯びた竿の先端を押し当てて粘膜で熱気を伝わらせ。

「まあ、どっちもチンポなんだからよ、両方纏めて受け止めたって問題ねえよなぁ?」「……っえ、えっ……!?」
「ほーれ、俺のハロウィンはチンポアンドチンポだぜぇっ」

一瞬両足が軋みそうな程に力一杯に身体を握り締められながら、あてがわれたのは上下のどちらかではなく、上下の肉棒が同時だった。
尖りを帯びた先端と言えども肉棒の太さも長さも全てが段違いであるのは何も変わりなく。肉体が既に消え去ったとされる人間の身体は腹部を歪に膨れ上がらせ、
ぐじゅり、と音を立てての挿入と同時に、更に大量の精気がなだれ込む。

「ひぐぅぅぅぅっ!?っぉ、おおぉぉ……や、あ、あぁあ……ぁ……!?」
「はっはぁ……見ろよ、両方のチンポぶっ込まれても何にも壊れてねえだろうがっ……良い具合だぜ、本当よぉっ」

既に痛みはない、圧迫感も何かが裂けたという実感すらも沸き上がって来ないが。
それ以上に走り抜けていたのは猛烈な快感が人間の身体を満たし、汗も精液も何も沸き上がって来ない身体に快感ばかりが溢れて止まらなくなる。

「壊れやしませんよ、と言うよりは壊れるべき肉体もありませんからね……」
「その代わり精力欲しさに適した形にはなっちゃうかもねぇ……今みたいに」
「んへへ……汗も何にも出ねえんだったら……ちゃんと俺のチンポもザーメンも全部こぼすんじゃねえぞっ!」

本気の律動に合わせて、人間の身体はぼこぼこと歪む程に荒々しく掻き混ぜられていく。
それでも快感ばかりが弾けている間には、人間の頭の中の悩みすら完全に消し飛んでしまっていた。

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