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短篇
装いの5
さらさらとした手触りに産毛まで生えているという滑らかな感触だからと好き放題に撫で回されながら、間近に迫った顔は味見をする様に首筋を舐め上げる。
人間の味わいに、やっと彼だって荒い鼻息を漂わせているというのがやっと分かるだろうか。肝心の人間の顔立ちは随分と穏やかを通り越してまだ事態を把握しきれていない様に見える。

「…………?」
「おいおい、マジかよ……ここまでやられてんのに、まだ何も分かってねえって言うのか?」
「……と、言いますと……このままだったら一緒にしか出られないじゃないですか……」「……調子は狂うが身体は良い具合だ……」

肌が触れる感触は多少反応が緩くとも抜群だと思っている様に、苦笑しながら蜥蜴人の両手は無骨に人間の身体を這い回っていく。
背中を滑らかに撫で上げていき、尻肉を平然と揉みしだいていくと流石に反応が来るかと思ったが何も指摘されたりと言った事は無かった。ならばこれかと、股間を掌に宛がってみる。

「……ぬ」「やっと反応があって何よりってもんだねえ……ほら、ちゃんと解してやるからな……」

やっと反応があったのを確認して、蜥蜴人の口元が更に大胆に裂けていく。
まだ完全に血流が通っていない、と言うよりは平常時の柔らかさを保っている様にすら思える竿を掌で揉みながら、尖らせた指先は尻孔の窄まりを丁寧に撫でる。
やっとくすぐったさを感じているのか身悶えしながらも包帯によって絡め取られてしまった身体は何も逃げられないままに、例えその気が無くとも刺激に応じれば竿は徐々に屹立する筈で。

「……お前、もしかしたらビビッてんのか?それとも本当に嫌で仕方ないとか……ひょっとしたら病気とかなんじゃねえのか?」
「そんな事無いですよぉ……ずっと健康ですし」「変な奴だなぁ……」

尻穴は刺激される程にじわりと柔らかくなっている様な気がするが、竿はまるで勃起していないまま蜥蜴人の掌でも柔らかさと儚さを残さず保ってしまっている状態。
おまけに返答出来るだけの理性だって残っているんだし、撫で回している内に身体が熱を帯びたり、汗ばんだりと言った事も無い。冷めてしまうよりはと少し考え、包帯が躍ったかと思えば蜥蜴人の股間を顔に差し出す。
鱗に覆われていない黄色がかった部位も余さず割れた腹筋の隆々とした凹凸と胸筋が分厚く際立っている様子が見え、その股間には何も無い様に見えるが、間近で見せ付けられると一本の筋が露わになっているのが見えた。

「まあ、これで良いんだったらそのまましゃぶってくんねえか?俺の股間をそのまま……こんな感じで、なっ…っおぉっ……」
「……ふ、っ……!?」

後頭部をゆるゆる落とし付けられる動きに合わせて、顔立ちが股間に緩やかに押し付けられる。
張り出した太腿と腹筋の割れた具合から何となくは分かっていたけれども、思った以上に硬く無骨な感触がする中で鼻先が触れるのは股間の縦割れの中身に押し付けられた感触で。
不意に息を吸い込んでしまった途端に、漂って来るのは精力に満ち溢れていると分かる壮絶な雄の風味。仄かに蒸れた匂いが残っているのも、人間の鼻の中で炸裂する様な激しさを残し。

「っふ、ぉうっぅぅ……ふ、ひぁ、あぁぁぁっ……!」「おぉ?そんなに興奮してくれるなんざ雄冥利に尽きるってか……ほら、ちゃんと舐めて、しゃぶって、味わうんだぜぇ?」

やっと人間の身体だってぞくぞくと震えながら、一気にその竿を勃起させて先走りをドロドロと垂れ流す様になっていく。
尻尾を忙しなく動かして人間に絡む包帯はまるで操り人形の様に自在に動いており、がっつく様に荒い鼻息を股間に、縦割れの内側に浴びせかけていく人間を更に股間に密着させていく。
身体を悶えさせ、唇の柔らかさと共に割り開かれた舌が割れ目の中をぬじゅりと舐め上げられ、心底嬉しそうに蜥蜴人は喉を震わせて。

「そう、だ……っと、あっぶねっ」「ふやぁっ」

情けない声を人間から溢れさせながら、咄嗟に頭を股間から離した直後にばちぃん、と音を立ててスリットより肉棒が露わになり、勢いそのままに腹筋に叩き付けられた。

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