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短篇
黄昏-13
飲み物や氷が詰まっていた名残すら何も存在しないが、底にはクッションが敷き詰められて人間の背中に気休め程度の柔らかさを齎してくれる。
動くだけでも精液が溢れる尻孔と息も絶え絶えになっている身体はどうする事も出来ずに、両手足を若干折り畳まれて呆気なくクーラーボックスの中に詰め込まれた。
顔の両脇に穿たれた空気穴に、見上げた先には再び獣人達の姿。誰も彼もが立派に屹立した肉棒をびくびくと屹立させ、扱く者すらいながら人間を見下ろしていて。

「は……あ……はぁぁ……あ……」
「もうすぐ夜が明ける……日が昇るまでに退散しねえとな、色々厄介なんだ」
「海に流すってのも良くないからねえ……だからちゃんと掃除もするんだよ……ゴミとかも拾う、辺りも掃除する」
「そして一番汚れた道具も、これ以上汚れない様にしまっておくってな」

人間を見下ろす獣人達が楽しげに語っている意味すらも定かではない程には人間は疲れ果てている。雄の匂いが一杯に全身に満たされているが、その視線は肉棒から離す事が出来ない。
自分が味わった竿、精液が吐き出す様子を間近で見せ付けられた竿、尻孔から口の中までたんまりと精液を注ぎ込んだ竿に見知らぬ様子。

「っぐ、っふぅぅっ!」「おいおい、またお前か……」
「ふあ、っっ…!」
「別に良いだろうが、早くて悪いかよ」「そういう所だぞ」「本当にそういう所だぞお前っ……」

先陣を切ったのは当然の様に馬人であった。腰を折り曲げて強引に真下に見える人間の顔に向かって膨れ上がった肉棒の先端を差し出して、音を立てて精液がクーラーボックスの中に収められた人間へと放たれた。
空気穴の狭さはこってりとした獣人の精液を通り抜けはせず、既に汚れ切っていた身体へと浴びせられて真っ白に染め上げられた。
同じ様に空中に弧を描き、或いはわざわざクーラーボックスを跨いで距離を詰めていきながら。これが最後の様に精液がきっちりボックスの中へと注ぎ込まれ。
やがて目も開けられない程の精液溜まりの中に沈み、改めて雄臭に満たされた身体は小さく悶えるが。

「……大丈夫だ。ここまで楽しめたんだ、きっとお前には悪い事にはならない……筈だ」「ちゃんとスマホも財布も取ってあるからね、心配しないでね……じゃあ、暫く待っててね」
「あ」

精液溜まりの中で顔に乗ったひんやりとした感触が、脱水症状予防の為の水の詰まったボトルなのだと理解するよりも先に。
ボックスの蓋は閉じられ、人間の身体は精液と水と共に完全に塞ぎ止められた。

「……さて、掃除を始めるとするか」「そうだねえ……君にもきっと、悪い思いはさせないからね」

竜人の囁き声に合わせる様に、かたかたと小さくボックスの中身が揺れ、後に待ち構えているのは徹底した清掃を行った。
場所によっては素足で踏み締めれば粘っこい感触がする程の精液が砂浜を染め上げていたのであるが。全裸に精液に汚れた身体で、砂浜を引っ繰り返し、ゴミを纏めて片付け。

「…………」

日が登り朝を迎えた時には、獣人の姿も人間の姿も何も無くなり、後に待ち構えていたのは静かに波の音が聞こえる海ばかり。
何の気配も無いけれども、この場に水着も何も纏っていない獣人の溜まり場であるというのはそこら中にも広まっている。

どこからか裸の獣人が現れて、そこに巻き込まれた人間が何処にいるのかは、誰も知らない。

【終】

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あきゅろす。
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