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短篇
黄昏-4
「…………ん?んぐぁ……えー……?」

口元に残っている酸味と塩気はレモン水の味が仄かに残っているからであり。やたらと背中が痛く、身体は汗だらけで喉はそれ以上にからからになっている。
どうしてこうなったんだっけか。気が付けばシャツも水着も全身もべっとりと汗に濡れそぼって喉も渇いたし空腹も感じる、確か相手がやって来てどうとかで、裸の牛と竜がいて、

「っぬぁぁっっ!?」「色々騒がしいねえ、君って」「死ぬ程苦しそうにしてたが大丈夫だったか?」

上体を起こしたと同時に頭の上に置かれていた氷嚢代わりの氷を詰めたタオルが落ち、この場が礼の海水浴場だったことを思い出した。
夢ではない事は何となく眺めていた竜人と牛人が、既に照明の灯された建物の中でも確かに丸裸を見せている様子からもはっきりと分かる。
冷房も何も無い空間で、仄かに汗を纏った裸体が股間を含めててらてらと怪しい光沢を帯びている姿に玉に竿に縦割れに陰毛に。ああ、夢でも何でも無かった。

「それじゃあ脱がそうね」「えっ、あっ、い、いきなりっっ!?」
「逆なんだよ、寝てる間ってのもあったが……ここでは脱がない方がおかしいんだって」
「それに汗だらけだしねー、よいしょっ」

問答無用で竜人の太い両手が人間の服を掴む。元々すぐ脱げるように軽く、海に行けたら良い様にと水着の紐だって少しばかり緩めに締めてあった服は容易く剥かれていく。
日中に待機していた時間がほんの少しだけであったのに、既に仄かに赤く腫れ上がっている肌。毛皮が生えても居ないし鱗だって纏っていない身体は汗に濡れて吸い付く様な感触があり。
同じく水着も強引に脱ぎ去られてしまえば、牛人と同じ様に包皮に包まれて玉袋を熱気に垂れ下がらせ、当然ながら大きさも太さも何もかもが色んな意味で段違いのに人間の竿が蒸れた香りと共に露わになったが。

「うひゃぁぁっ……あ、あっ……!」「あれぇ……君の年の割にはなんだか……ひょっとしたら剃って来たのかな?」「……そうは見えねえな。思ったよりもガキなのか?」
「ち、違いますってっ……何かこう、ずっと生えないんですよぉっ……!はふっ!?」

牛人の様に処理していながらも股間に色濃い茂みがある訳でもない、つるりと無毛な股間が露わになっては恥ずかしそうな声を漏らす。
上着を脱ぐ際に竜人も気が付いたものであったが、両腋から髭までこれといって生えている様子も見られない。背丈は人間の中ではあるかどうかも分からない。
人間側の気質の問題であるとまでは辿り着きはしなかったけれど、汗を纏って湿り気を帯び、吸い付く様な肌触りというのは竜人にとっては決して悪いものではなかったものだった。

「これは中々良いね、ずっとすべすべする」「っや、そ、そんなの……んぅぅん……!」
「どうせそういう目的なんだからよ、覚悟の一つや二つしてるんだろ……だったら文句言うなっての……」

同じく鱗に包まれていない柔らかな部位によって撫で回されながら、自然と他人によってくすぐられる様に胸元に脇腹、軽い調子で撫で上げられる股間はみるみる包皮が剥けて勃ち上がってしまう。
当然ながらこうして他人に股間を含めた身体を弄られるというのはこれが初めてであり、思ったよりも熱くてべたついていて、それでも確かに心地よかった。

「……おぉ?まさかもうおっ始めてるってか?あれ人間じゃん?」「いつもの物好きなんだけどな…昼から来ちゃったんだよ」
「マジで?あんなに真夜中に流してたのに昼間っからぁ?すげえエロイ奴じゃね?」「……いや、エロい奴だけど馬鹿だろ。探してみても昼から脱いでる奴なんて全然居なかったのに……」

そして窓越しに見える時刻は薄暗く、間もなく夕日すらも落ちる時期。
続々と全裸の獣人竜人が舞い込んで来る、海水浴場の本来の時間がやって来てしまっていた。

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あきゅろす。
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