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短篇
スムース-10
「……ずっと温かいの……良い、ぞ……」「はぁぁぁぅ……くひ……ぁぁ…ぁ……」

やっと体温が上がったらしい狼人の裸体は上気して熱を孕み、そこまでしてからやっと獣臭さが全身からこぼれ出た様に感じる。
全身に包み込まれっぱなしだった人間は腰を掻き混ぜながらまだまだ立派に張り出したままの睾丸をぎゅっと縮み上がらせており、数十分を掛けて大量の精液を流し込んでいる。
丹念に解しながらの刺激に合わせてすっかり人間もその熱気を全体に纏ったまま、下腹部が張り出す程の熱い精液を甘美な快楽の中で受け止めてしまっていた。

「っふぅぅ……このまま、ずっと俺を……温めて、欲しい……ずっと、このまま……これからも……」
「……っは、おぉぉぅ……こ、この後……ちゃんと身体とか、洗ってくれるんだったら……良い、ですけれど……」
「えっ、っおぉぉぅんっ……!」

人間の精液と汗を絡めた手で扱く内に、薄まった人間の精液が肉棒から放たれると同時に中の肉が締まり、射精量は続けて止まらなくなっている。
狼人の射精が長く続くというのは十分に分かっているものであったけれども、それ以上の驚きに狼人の顔が歪むのが見える。
毛並みの流れが無い代わりに顔の皺が寄って見える表情は実に分かりやすいものであり、また入浴する必要がある、という事の方が驚いてしまっているらしい。

「くっぃ……だ、だって、こんなに汚れているとかじゃないですかぁ……あんまり熱いお湯で洗い流しますと固まりますから、程々にぬるいお湯じゃないと流れませんよ……」
「ほどほどに、ぬるい……!?」
「っっ……そんなに気になるんだったら、もうちょっと抑えてればよかっおぁぉぉっ!?」

時間的にはちょうどの頃合いか、やっと亀頭球が抜け落ちて勢いよく肉棒が引き抜かれていく。
十二分に解された尻孔の隙間から溢れる様に精液が音を立ててベッドの上へと落ちていくのが分かり、ここまで汚れてしまったならばやはり身を清めるしかないものだろうが。
それ以上の身体と熱気を孕んだまま、困惑した様にぎゅっと再び狼人の抱擁が強まり、熱を孕むよりもただ驚きと怯えから抱き締めてくれているらしい。

「……それ、は……寒いよりも、断る……っ」
「……人様に亀頭球まで打ち込んでこれだけ……っ、音を立てるぐらい精液ひり出す事になるまで出して、よくそんな事が言えますよねえ……貴方じゃなくて僕だって匂いは気になるんですからっ」
「うっ、く……うぅぅぅんっ」

尚も身体を抱き締められっぱなしに、身体が震えるのではなく精液の匂いと合わせてぶわっと人間の全身が包み込まれる様であった。
溢れる精液から漂って来る獣臭混じりの精液の風味も圧倒的で、熱されているのを通り越して蒸し上げられている気分にすらなってしまっている状態。

「……俺みたいに、覆ってしまえば……」
「人間の肌の軟さは貴方の肌よりも弱いって言い切れますよ。それにずっと洗って置かないと垢だって疾病だって来ますから」
「じゃ、あ……汗で今濡れている内に石鹸で……」
「体表の汚れは洗うだけじゃなくて流して落とす必要があるんですよ。滑りっぱなしじゃ貴方も辛いでしょ」
「…………」
「観念してください。貴方だってこれが最初じゃないのは、僕がよーく分かってるんですからねっ」

薄暗い中で見上げた狼人は、両耳も尻尾も下がり切った尋常じゃない困り顔を浮かべている。
そんな顔を突然に人間は両手で頬肉を支えると、本当に唐突に口付けを鼻先へと落としてしまった。柔らかい肌に塩気を含んだ風味。

「っっ……!?」
「それと、これはこれからの挨拶ですよ……貴方が僕をパートナーと認めたのならば、今後ともよろしくですからね……」

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あきゅろす。
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