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短篇
スムース-8
風呂に浸かる事すら苦手であるという理由の一つとして、普通に使われている毛皮の乾燥用魔法機構だと肌がひり付く程に乾燥してしまうから、らしい。
タオルで必死に脱水させている間に身体はすっかり冷えるし、服だって冷たくなる。何よりも他人からの目付きが、奇妙なものを見る目が自然と風呂すら入れなくなっていた。

「そう、思っていたんだ……だが、お前が居てくれたならば……」
「……ふ、ぅ……そんなに僕を大事に思って良いんですかね……いや、全然良いんですからそんな顔しなくても……まあその、大丈夫なんですから……っ」
「…………っ」

だから人間の魔法によって丁重に柔らかく地肌を乾かした途端に、軽やかさすら感じる動きを伴ってその身体はベッドの上へと預けられていた。
毛布が目深に被せられた中で瞳が爛々と輝いて見下ろしている姿を見上げる。ずっとくっ付いているからこそ、漂って来る雄の風味も、既に狼人の竿が屹立しているのも全て筒抜けに見える。
真正面から唇を奪われていきながら、水気を仄かに纏った身体がしっとりと圧し掛かる。
これから自分が抱かれる事だって分かっているのに、不思議な程に嫌な気は何も起こらない。受け入れるというのは、そういう事であるのだろう。

長い舌先が這い回っていく。唾液を掻き混ぜながら舌先を絡め落として、ぺたぺたとした肉球が尻肉を探り、尻孔の表面を緩く擦っている。
擦れた摩擦と毛布の中の体温が上がっていき、風呂上がりの身体のまま熱気と仄かな水気が薄暗い空間の中で溢れて、素直な熱気に身体が醸される。

「んふぅ……っぁぅ……」
「はあっ……ふぅっぅぅっ……」

ばたばたと小さく狼人の背面で音がするのが、毛布の中で尻尾が激しく揺らされている音なのだと分かった。
肉球はまだ水気を孕んでおり、人間の竿から溢れる先走りを掬い取っては尻孔を解している。じんわりと擦られながら、さっき清めた身体なのに、と言った後悔さえも今は存在しない。
やがて毛布の中で四つん這いの格好を取らされ、背後から狼人の身体が吸い付く様に圧し掛かって来る。熱を孕んだ身体に合わせて、興奮しているのか荒い吐息と共に冷たい唾液の飛沫が背中へと落ちて行った。

「ふっ、ふぅっ……行く、ぞ……っおぉぉ、っっ……!」
「は、いっ……な、なるべくゆっくり、っひ、いぃぃぃぃ……!」

人間が言葉を溢れさせるのも構わない様な緩慢な動きなのも間違いなく、狼人の竿だって大きく開いた鈴口からこぼれた先走りにぬらぬらとした光沢を描く。
それでも張り出しきった亀頭は尖った先端を人間の尻穴へと宛がった後に、気遣われた上でもその大きさと太さによって肉孔に擦れ合う音を響かせて僅かずつしか入りはしない。
堪えている間に狼人の腕が絡み、気を紛らわせる様にして乳首や股間を肉球や爪先で器用に弄られて行く。

「っふぅっ、っふぅ、うるぅぅ……っっ……!」
「あ、待っ……っふぁ、あぁぁあぅ…っっ……!」

どうにか根元まで入り込んだと同時に狼人の腰が震え上がったかと思うと、早速尻孔の中へと生温い液体が注ぎ込まれていく。
さらさらとした感覚に、まだ興奮している竿越しに伝わる拍動に、何を指し示しているのかさえも完全に理解した上で、緩くベッドシーツを握り締め。

ぼこり、と音すら立ちそうな程に、人間の中で狼人の竿の根元は膨れ上がるのだった。


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