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短篇
チョ-8
本当に自分の身体で兎人の身体が受け入れられるだろうかと。気が付いたらそんなホテルの中で、竿まで咥え込まされ、口の中に吐き出した精液の味わいまでも伝わっていて。
既にお互いに全裸で真っ白い毛並みとまるで色白な裸体を剥き出しにしてしまったまま、寝かされてしまっている姿を晒しているのが現状で。
もう受け入れるしかない状態にまで到達してしまったという事に、人間は兎人の雄竿が尻孔に押し入って来るまで微塵も気付いては居なかった。

「はぐっ、はぅ、っふ、ふぁ、や、あぁぁぁぁ……!!?」
「うぉぉっぐ……っくふぅぅっ……!ああっマジでスゲ……ッは……やっぱり足りなかったなあっ…まだ収まってねえのにっっ……!」

身体が覆い被さって来ながら竿が挿入された先には、激しさと熱気、分厚い造りとなっている筈のコンドーム越しにも伝わる雁首の鋭い張りまで、全てが人間の感覚を削り取って来る様な刺激に耐えられない。
暴れさせようにも仰け反ろうにも押し入って来た兎人の勢いによって全てが押し潰されてしまった様でもあり、強引に抉られていく前立腺によって興奮より先に勃起も保たれてしまっている。
存外兎人の調子としては、人間が感付いてしまう程度には早漏れであると言って良いだろうが。それでも微塵も萎えないまま、リンゴ程の大きさまで精液で膨れ上がったコンドームがこぽりと音を立てて引き抜かれる。
まるで水風船さながらに膨れ上がったゴムを手慣れた手付きで取り外しながら口を括れば、まだ熱を孕んだ精液風船の出来上がり。

人間の尻穴からひり出されたのはこれで六つ目。既にベッドの傍らや床にも同じ様に濃厚な白濁の詰まった精液風船が転がっており、袋の中身は全て無くなってしまっている。
既に気持ち良くなっているのか、それとももっと手酷い事になっているのか人間は自分自身では判断出来なくなってしまっている衝撃と熱気が纏めて襲い掛かる。
続く刺激と六回連続でゴムを付け替えながら完全に解された尻孔は完全に閉じず、物欲しげに腸液を滲ませながら震える程開発が済んでしまっているのだから。

「っや……あぁ……もう、分かんなくて…っふぁぁ……ぁ……」

精液の匂いが薄く漂って来ているのは兎人の獣臭の混ざった匂いではなく、何度も何度も前立腺を押し上げられていた人間自身の竿から放たれたものの匂いも混ざっていた。
真正面から、背後から、身体を密着させながら、両足を抱え上げられながら。体位を繰り返し変えられて続いた交合によって、既に精液は互いの身体とベッドシーツの上にたっぷり絡み、自然と色濃い匂いを漂わせている。
兎人とは異なって何度達したのかは分からず、重なった刺激によって濁った汁を噴き出した竿は震えながら縮み上がりかけている。
実際は強引に前立腺を掻き乱された事で完全に屹立せずとも達していたとは、人間はまだ気付いていない。

「それはなぁっ、俺と同じで気持ちいいって思ってるんだろうよぉっ……だからな、ほら……悪い様にはしねえって言ってるから、な……」
「やっ、だめ、それ、駄目ぇぇっ」

気付いていないのであったが、まだまだ勃起しっぱなしの兎人が他のサイズのコンドームを取り付けようとする事すらなく、精液に塗れた竿を人間の尻穴に押し付けている。
何を意味するのかも当然ながらしっかり身体に染み付いてしまっていて、僅かに残った余力で拒もうとするが再び正常位の姿勢が出来上がってしまっている。

「今度はちょっと加減すっから、だから大人しく俺のチンポっ、受け止め……っっ!」
「だめ、だめっ、ひゃぁぁあぁっ……!?」

汗と精液の匂いに混ざって漂って来る獣の匂いに、まだ淡く漂っている甘い匂いが人間の息から溢れるチョコレートの残り香だと気が付きながら。
十分に解れた尻孔に、全体に精液が塗されて滑りを帯びていた獣の肉竿はこの上なく馴染んでいる様にスムーズに挿入され、痛みも圧迫感も何も無い純粋な刺激を人間へと伝えていた。
嫌がっているのは言葉だけで身体は十分に解れ、馴染み、先程までは鮮明ではなかった血管の張りから雁首の反り返りさえも全ての兎人を味わってしまっている。
何が待っているのかも知れない中で、甘く啼いた人間の竿は自然と血が通い詰めて、再び兎人の腹筋へと擦り付けられていた。

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