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短篇
三の7
先程と異なるのは射精のやり方であり、それ以前にローション塗れにした避妊具付きの竿であったとしても亀頭球を強引に捻じ込むよりも引き抜く方が人間の負担が大きいという点。
だからこそまだ連続して絶頂に達する事が可能であるだろう人間型の竿とは異なり、一度の射精で亀頭球が萎えるまでの時間、延々と繋がらなければ結合を解く事も出来ないのだ。
普通の犬同士にしても射精から数十分以上の時間を掛けての交合が行なわれるとは知れ渡っている。幾らかのばらつきだってあるだろうが、獣人と人間との交わりに幾らか、等といった甘い言葉は殆ど意味を成さない。

「ほぉ……っお…っひゅぁ……は……」

何度達してしまおうとも犬人にとっては何も関係無く、犬人の女性に向けての射精を人間の腸内に延々と注ぎ込み続けているのだ。
時々に脈打つ腰使いに合わせて、瘤を備えた入り口付近の腸壁の形状さえも露骨に変えられてしまっているのかもしれない。それも無理矢理ではなく、愛情を伴って甘ったるい身体が更に抵抗さえ許してくれない。
何度も首筋を撫でられ、繋がっている状態でも水分補給は欠かさず、まだ待ち構えている完全に獣の竿と尚も滾ったまま手持ち部沙汰に扱かされている人間の竿の滾りはどこまでも強く人間の全身に伝わって来る。
決して無理強いはしない上に、全員に対して一定以上の好意だって抱いているとなれば。実は一人ではなく三人であったといった驚きさえも、快感と熱気に蕩かされてしまっている様な気がして。

「よおっしっ……これで、っ、終わりぃぃぃ、っ……!」

ぶるぶると震え上がる身体にやっと胎内で亀頭球が柔らかに萎えたのと合わせて、やっと腰が離れていく弾みにまた人間の竿からは潮が噴き出していく。
数倍の時間を掛けて引き抜かれた肉棒は避妊具越しにも湯気が立ち上る程に熱されており、ローションと腸液の混ざり合った卑猥な液体を引きながら完全に解れ切った尻孔にも糸を引いている。

「ぐぅっ……く、ぬぅぅっ」

呼吸を落ち着かせている間に、扱かれていた竿から獣臭い精液が放たれていく。丸く張り詰めた亀頭が更に一回りも大きくなった様に見えて、口を開いた鈴口からは人間の上半身に重たい白濁を浴びせていった。
これで二人目であり、今までずっと我慢を強いられたもう一人の竿が、完全に亀頭も何も無い尖った先端に今まで受け止めていたものよりも巨大な亀頭球を丸く赤黒く張り詰めさせた最後の一人が残っている。
全身だって汗まみれであるしシーツも一面が水気を含んでいるのが暴れる身体から分かる程にじっとりと濡れて、疲れも身体の奥に響く疼きも止まらない。

「……大丈夫?今直ぐに君を次に抱いてみたいけど、抱いてみたいけど……いや本当に抱いてみたいんだけどね……あんまり無理はさせられないってのは、分かってるから…抱いてみたいけど」
「思ったより時間掛け過ぎて悪いな」「……口の方が空いてるから、そっちでも良いのなら…」

ああ、きっと酷い顔を浮かべているのだろう。あそこまで迫真の勢いを伴って自分を三人ともに抱こうとしていた犬人達の気遣いに、きっと思ったよりも身体も酷い事になっているのだと。
粘つく身体と熱気に、精液が表立って放たれた事で感じ取れる露骨な獣の雄臭。じわりと震える汗と合わせて、まだ閉じ切る気配を見せていない尻孔はきゅっと意識した途端にまた犬人達の前で縮み上がる。

「……あ、の……」

二つ目の精液風船が造り上げられる。先程と同じ程の量と粘度を保った精液が中から透けて見えているが、溜まっていた精液の質にはばらつきがある様に見えている。
既に先走りすら濁っている程、今までの痴態を見せつけられながら自分で発散してもいない獣の竿を前にして、散々に喘ぎきった掠れた声で、人間側から呟いた。

「このまま……いい、から……」
「ほ、ほ、本当っ!?」「……駄目そうだったらすぐにでも止めたいが……コイツの形からするに、気絶しても暫くは抜けないからな」「ああ……止めはしないがな、本当に……」

向こう側のせいと欲望によってこんな事になっているのに、既にこんなにも熱に浮かされて。
言葉を聞いた犬人が尻尾を揺らして嬉しそうに喜んでいる様子を見て、可愛らしいとすら思ってしまっていた。

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あきゅろす。
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