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短篇
三の4
やっと指先が引き抜かれ、口元と竿が獣の口から解放された時に人間の身体は完全に仕上がってしまっていた。
上気してしまっている身体は汗ばんだ表面に疎らに黒い体毛が貼り付き、精液の残滓さえもほぼ萎えかけた竿から溢れない程には吸い上げられている。
ぬぷり、と音を立てて引き抜かれた尻孔は完全に閉じ切っておらずに、流れのままに弄り回され刺激され切った胸元の突起と同じくぷっくり綻び膨れ上がった痴態すら見せていた。

「おぉぉ……ぁ……や、無理、ひ……ぃ……」
「こうなってしまうのはもう何でも分かっていたんだからな……絶対に無理はさせない」「俺達のをまともに受けちゃ、誰だって壊れちゃうしなあ」「だから一旦落ち着かせるよ……水も飲ませてあげる」

寝かされて身体に貼り付くシーツから、やっと自分の身体中が汗塗れであると気が付く程には浮かされっぱなしだった。
仰向けに寝かされてやっと引き起こされると同時に、ペットボトルが口元に突っ込まれ、ゆっくりと塩気を孕んだ液体が流し込まれていく。
先程聞こえた封を切る音から新品であるのだと感じて、味にも覚えがあるスポーツ飲料の風味。わざわざ用意してくれている程に、彼等は人間の事を抱こうとしているのだ。

その証拠であるとばかりに、引き起こしている一人の股間からは張り詰めた肉の感触を人間へと伝えてしまっていた。脇腹に触れる熱気に、独特の大きさを誇る雁首の大きさ。
犬獣人でありながらその形から包皮に包まれて亀頭の備わっている形状までもが人間のそれと全く同じ竿が、獣臭い先走りを人間の身体へと押し付けてしまっていた。

「んぶっ……くふ……ぅぅ……んぁ……あ……」

呼吸が落ち着いた所で飲料の大半をこぼさずに飲まされた辺りで、やっと体に触れている突起が犬人の肉棒であるとも気が付いてしまう。
黒い毛並みに似た全体的に黒ずんだ表皮に張り巡らされている血管の太さ、雁首の強靭ささえも段違いで、形こそ同じながら人間のものとは存在が異なる様に感じ取れる。

「タオルだって用意したからな」「ちゃんと濡れタオルだって」
「そんな所だ……俺達はな、なんとしてもお前を今日の内に抱きたいって気があったからよ……何か欲しかったら今直ぐにでも買って来る」

そういうのが無かったらの話だけどな。囁く様に呟いている間に、身体に纏っていた汗はタオルと舌先によって舐め上げられ、呼吸が落ち着きながら解された尻孔の疼きと興奮だけを残されていく。
ペットボトルの中身を残さず飲み干してしまって、やっと落ち着いてから頭の中だけが熱を帯びている様な気分。気が付けば他の犬獣人達も全裸になって、だから相手の竿も感じ取れたのだ。
誰もかれもが大柄で黒ずくめで紅色の瞳。それぞれの股間から完全に屹立している竿の違いが、人間に対して彼等が別の人間である事を確かに伝えてくれている。やっと見えた判別方法。

「えっと、それじゃあ誰から…かな……」「誰だっていいかな、僕じゃないならオカズにすればいいんだし」

大型のコンドームの詰まった袋の封を切っている方は、人間と同じく亀頭を持ち合わせた形状をしていながら、犬獣人と同じ様にぼこりと根元が既に丸く、握り拳大に膨れ上がっているのが目に入る。
同じ調子でローションと思わしき液体の詰まったプラスチック製の容器を持っている方の犬獣人は、完全に獣人の様相を保っているものだった。
玉袋のぶら下がった根元には肉鞘が備わっており、大きく開いたそこから赤黒く亀頭の存在していない尖った竿がびきびきと先走りを濡らしている。亀頭球だって張り詰め掛かっている程には、誰もかれもが興奮している。

「俺からでも良いか……こう言っちゃ何だが最初に出会ったのが俺だから、な……」
「…………っ……あの時、君が……」「そうなるよな……二番目に出会ったのが俺で」「僕が最後」

全員が納得した辺りで、人間の身体へ真正面から獣人が迫って来る。
覆い被さったと同時に両足は割り開かれ、大きく熱くふっくらとした亀頭の先端は尻孔に、鈴口はぴったりと孔の中へとあてがわれていた。

「……改めて言おう、本当に……大好き、だ……っっ……」

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あきゅろす。
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