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短篇
霊-8
「っはぁっ、ハァッ……うぐ……っへへ、色々分かんねえけど、お前ん中は言い、ぜっ……ぐ……!」
「ふぁぅ、うっっ……くふぅぅぅぅ……!」

肉棒が引き抜かれた尻孔からはぼこぼこと音を立てて精液を噴出した解れた尻孔に、完全に勃起していた獅子人の肉竿を押し付け、間髪入れずに貫く。
狼人とは違って亀頭球の存在していない代わりに竿全体には無数の突起の様な疣、返しとなった肉棘がびっしりと生やされて、捻じ込む程に中を引っ掻き、引き抜く際は腸壁を抉る様に刺激する。
運が良いのか、獅子人自身が気遣っているのかも知れないが中を切り裂いたりする事は無いままに、精液を中で捏ね回す様にしてぐじゅ、とまた空気が漏れ出す音を溢れさせた。

「うぉっ、っへ、はぁっ……オラ、また出してやる、ぞっ……!」「っんぐふ、ぉぉぉぅ……ぅ……!」

口元に残っている狼人の血が溢れる汗と涎で流れ落ちていき、薄く赤色がかった滴をトイレの床へと滴らせながら激しい快楽に悶え狂っている人間。
その中で何度目かも分からない、既に二桁に達する程の回数根元まで挿入した肉棒から、またしてもぐぐっと血管を迸らせて縮み上がった睾丸の中から粘っこい感触を伴って注ぎ込んでいく。
暫く脈動しながらごってりとした塊にも似た重たい精液を打ち込み、ぶるっと獅子人の巨体を震え上がらせながら少しの間余韻に浸り、殆ど間を置かず再び腰を動かして萎える気配を見せない肉棒を打ち付けていく。

燃え上がっているのは何も違いない。人間を前にして普段以上に興奮しているのではなく、今の状態が獅子人の普段の夜でもある。
狼人の胎内にも抑え込めない程の精液を吐き出し、引き抜いたとしても満足出来ないのであったならば胃袋が膨らむかと思える程の両を吐き出し、そこで狼人が音を上げるので全身に浴びせ掛ける。
普段からそんな調子なので先日扉を開きっぱなしにしたままの絡みにおいても、人間が離れてからも夜通し行為は続いていた。流石に怒られた。

「おぅぅっ……絶対にやべえ事になってんのによ、腰も止まらねえなっ……あぁ悪い、本当に悪いってぇ思ってるんだけどなぁあぁっ」

トイレの壁に背中を預けながら一人で人間の身体を真正面から抱え上げ、残りの体重を相変わらず張り詰めている肉棒で支えて食い込む深さを強めていく。
腰の動きに合わせて人間ごと真下から揺さぶっていき、延々と続く刺激に人間の声色にも雑音が混ざる喘ぎを溢れさせながら、肉棒からは既に薄まった精液がまた腹から胸元まで飛び散っていく。

漂って来る雄臭と甘い声色、すっかり獣人用の肉棒にも慣れきった従順に解れて引き締まる蕩けた腸内を突き上げる動きは止まらない。
獅子人の身体からも汗と精液の入り混じった卑猥な汁とが流れ落ち、夏場にも暑苦しい程の熱気を孕んだまま無造作な行為は続けていく間にも、狼人は床に蹲ったまま動かなくなっている。
漂っていた血の匂いは汗と雄臭に混ざり合って薄まっている。血液の匂いが徐々に収まっている事からきっと傷口も塞がっているのだろうと、安心をしながら腰の動きは止まらない。止まってくれない。

狼人が乱れ切った匂いの漂うトイレの中で倒れ込んでいるというのに、獅子人の本能が人間の身体を犯すのを止めてくれないのである。
肉の詰まった身体がぶつかる音を丹念に響き渡らせる様な粘着質なピストン運動に、飽和した身体は絶頂の回数が早まりながらも止まらないのである。
申し訳なさを感じながらも性欲は止まらず、人間の下腹部は肉棒本来の質量と腸内に溜め込まれて残留している精液によって下腹部が膨れ上がっているのに。

「っほら、おっっ……大丈夫だってなぁ。いざって時にゃ二人とも抱えて帰してやるからよぉぉっ……」「…………」
「あっ、あっ、ふ、ふぁ、ぅぅあぁぁ……」

興が乗るとなかなか止まらないというのは獅子人自身も把握しているが、目先の心地よさを優先してしまうものであり。
必死で腰を揺らしている間に音も無く立ち上がり、背後から迫っていく狼人に気が付いた時には。

「おっと、やっとお目覚めっ」

トイレに備わった洗面台前の鏡越しに、獅子人の首筋に食らい付こうと牙を剥いている所だった。

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