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短篇
獅子百-10
結局コンドームを使っていたのは最初の一発目だけになりそうだった。後は人間の身体に出す。口内に注ぎ、尻孔に溢れさせ、道楽として尿道に浴びせる様にして兜合わせのまま精液を吐き出す。
精液自体の重たさと濃さによって密着させて放っても尿道の中を逆流する、と言った事は無かったが、その量と粘度はまるで下着の様に人間の下半身を彩る事もあった。

精液を噴き出し続けて孕んだ腹を赤子が収まっている様に撫で回し、時には挿入したまま身体を延々と愛で続け、風呂場まで丸く膨れた腹の人間を抱き上げて精液がひり出される姿を自慰をしながら鑑賞した。
吐き出した後の尻孔に汗と精液でどろどろになった箇所もざらついた舌先で丁寧に磨き上げ、吸い上げ、残さず綺麗にしてから精液を再度注ぎ込む。飲ませる。また腹が膨らむまで止まらない。
そんな行為を人間の意識が完全に飛んでしまうまで続け、目が覚めたならばまたしても軽い食事と共に交わり続ける。交わり続けて犯し続けて絡み続けて盛り続ける。

「まさか君も、こんな事になるだなんて思いもしなかっただろう?」
「……んは、は、い……」

それは三日目の朝だった。身体の内側も外側も懇切丁寧に清められた身体で、一滴の精液たりとも残さずにきれいに掃除された部屋の中に人間は入り込んだ。
ベッドの隣に並んでいる人間の隣には、数日振りに衣服を纏った様に見える獅子人の姿が見える。タンクトップにぴっちりとサイズが合っていない様なスパッツ越しにも盛り上がった筋肉と太く走った血管が強調されている。
ほんの数日、二、三日に満たない程の間にすっかり覚え込んでしまった心身。人間も同じく服を纏っているが、既に肌に擦れる感触と共に震える身体は十分に開発され尽くしていた。

「さて、折角封を切ったのだからもう少しぐらい使えば良かったと今思うにしても手遅れだろうなあ……このまま生で味わいたいなら、記念するべき百発目を注ぎ入れるとしよう」
「お願い、お願いします……最後の最後まで、一杯、ザーメン下さい…ぃ……」

何も教えていないのに、最初にこの場、この部屋、邂逅した時と比べても十分に人間の身体は顔を赤らめて上気しているのが目に入る。
最初に出会った時よりも柔らかな表情と容易く獅子人の誘導の下に押し倒され、喜んで口を重ね合い、身体を撫で回す程に衣服の中では勃起を通り越して既に先走りと共に絶頂に達しているらしい。
随分と敏感になり、従順になり、雰囲気や立ち振る舞いにしても雌らしさとも言うべき甘ったるい雰囲気を醸し出しているのが目に入り。そんな姿と物欲しげに股間に伸びる手の感触に、当然ながら獅子人の身体も立派に反応するのである。
スパッツの中には下着も履いておらず、しっかりと立ち上がった立派な肉棒に染み付いた精臭までは直ぐには消えない。
亀頭も完全に剥けた途端に露わになる猛烈な匂いを人間は恍惚とした表情で肺一杯に吸い込み、股間にじっとりと染みを造り上げていた。

「おやおや、もっとしっかりとしてくれるかと思ったのになあ……」
「は、早く……はや、く……」
「……そんな風に欲しがるのならばなあ……こっちだって辛抱堪らないぞ、むんっ」

思いっきり力を入れた途端に、獅子人の身体を纏っていた儚い衣服は筋肉の膨張に合わせて弾け飛ぶ様に引き裂かれて行った。
あっさりと全裸になったならば続いては人間の衣服。早速内側から人間の精液で汚れていた衣服を同じ様な力で引き裂き、散り散りのぼろ布へと換えて裸に剥く。

「さあっ!記念すべき百発目、だっ!」

覆い被さって来る獰猛な獣に、人間は両足を腰に絡ませる程に受け止めていた。

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