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短篇
獅子百-4
「っうぐぅぅぅっふ……!はあぁっ……これであと九十九発、だなっ」
「…………」
「どうしたんだい?っはあ、ちゃんとゴムが破れたりなんて事も無かったし、満足だろう?」
「あ、いえ……あの、思ったよりも……凄い量、出たので……」

壮大な咆哮に合わせて筋肉質だった身体が更にぎゅっと引き締まった様に血管を迸らせ、巨大な玉袋が同じく引き締まった様子がはっきり見える程に収縮する。
両耳に響く程の声量に合わせて、肉色が殆ど覆い隠される程に分厚く、肉棘によって内側から引き裂かれてしまわない様に誂えていた猫科向けのコンドームの先端には、水風船もかくやと思われる程の膨らみが出来上がってしまう。
そっと嵌めた両手が竿に近付くだけでも熱気を感じ、先端に精液を丸く膨れ上がらせている姿はゴムが重力に従ってずり落ちないのが不思議とさえ思える。
じっと見ているだけでも僅かな竿の脈動でぶるんぶるんと重たく震える姿に、もしもゴムも無く生で注がれてしまったのならば、と変な気持ちと鼓動を背筋に走らせながら人間は一人思うのだった。

「はっは、そうだろう……こんな感じで毎回ティッシュとかも物凄い量を消費しちゃうからね……だからこういうのにも応募しないとやってられない、っふぉぉぅっ……」

ぐるぐると喉を唸らせる音が混ざりながらの声色からでは、相手が何歳なのか判別も非常にし辛くなっている。
楽し気に微笑みを浮かべる度に覗く牙もどこか可愛らしさと勇ましさの混ざり合った良いものに見える気がしてならない。少し前まではこんな事が無かったのに。
根元を持ったまま熱と重たさを感じるコンドームを人間が外していく程に湯気すら立ち昇りそうな熱と合わせて猛烈な雄臭が鼻先をぶん殴って来る様な。小さく身震いしながら、こぼしたらシャレにならないとは本能で分からせられる。
両手で持たなければずり落ちそうな重たさにどうしようか考えている間に、片手の指で摘まみ上げられ、軽い手付きで口がぎゅっと縛られる。

完全に伸びきっている細長さではなく、先端が丸々と膨れ上がった姿は正しく水風船の様に見える。
中に溜まっている液体が残さず真っ白く、或いは真っ白以上に濁りきった重たい白濁色とも形容するべき色合いになっているのも見えていた。

「ふう、済まないねえ。これが記念するべき一発目、と……」
「……あ、あ……の、それ、どうするんです?」「後で配るかもしれないから取っておくんだってさあ……買い取りたいって人も居るなんて、変態だよねえ」

苦笑しながらも満足気な調子で、棚の上に置かれていたペンでコンドームの上に「1」と書き記す獅子人だが、その竿は変わらず立派に屹立したまま、玉袋も流動しているのが良く分かる。
先程精液を溜め込んでいた事と合わさってびくびくと脈動する度に濁った精液がどぷっと生々しい音を立てて鈴口から滲み出し、長々とした糸を引いて人間の目の前で床に落ちる様子を見せ付けている。
漂うのは獣臭以上の雄臭さで精液臭さ、噎せ返る様な生臭さも止まらないままで、その上で獣の匂いが混ざり合っている様な奇妙で、強くて、強烈だった。

「…………」

そんな姿を見ている間にも、また反応が遅れてしまっているのを自覚する。
一度精液を吐き出されても立派に逸物を屹立させている姿を前に、圧倒的な肉体を上気させながら、たった一度の射精だけでは到底収まらない欲望が生々しく自分の目の前に備わっている姿に。
見惚れてしまっている、といって間違いないかもしれない。いつの間にか、人間自身の肉棒も剥け上がって勃起している事には、まだ気付かなかった。

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あきゅろす。
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