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短篇
獅子百-2
「それじゃあ早速やってみようか。脱がす所から良いかい?」
「……はい、わっ……はい」

何せこれから眼前のライオンを100回程絶頂しなければ此処から出られる事も叶わない、そんな契約であったのだが。
早速とせかされるままに身体を向き合わせてみると胸板の上側にさえ届かない頭に、堂々と仁王立ちする姿は何も動いていないのに圧倒的に人間を威圧している様に感じる。
ビデオを見て興奮したのかスパッツの中心部には頂点と呼べる程の立派な盛り上がりが浮かんでおり、シャツの隙間から見える分厚い胸板と鬣、八つでは足りない程の腹筋にまで反り返っている姿。

シャツぐらいは脱いで欲しいとも思いながらも、ベッドの上に立って強引に高さを稼ぎながらシャツを脱がせていく。薄手と思っていたが思ったよりも素材は分厚く、単に獅子人の身体が全方向巨躯過ぎるだけだったのだろうか。
短い毛並みの中でもふもふでさらさらした手触りの鬣が手に擦れるとちょっとくすぐったくて、両腕を掲げると腋の下にも生え揃っている毛並みが見える。強引に脱がせば、鬣のボリュームに負けない全身の肉がもう凄まじいとしか言う外無かった。

「なん、その、何ていうか、本当に凄い身体……です、ね……」
「嬉しいね、そんな風に言われると……こんな感じの身体だから、下の方も凄い事になってるんだよねえ……」

和やかな雰囲気を漂わせている口調だとやっと気が付いたけれども、声色自体は渋過ぎる程には低く、喉から鳴るごろごろという音が混ざっている。
要するに酷く怖い様な気がしてならない。牙を剥いて笑う笑顔、短く切り揃えていると確認出来たのに鋭い爪先、今も股間で生地の内側に張り詰めてびくびくと脈動している存在の姿。
生憎靴下の一枚も履いておらず、シャツをどうにか脱がせば身に付けている衣服と呼べるものはスパッツ一枚のみ。股間の膨らみの凹凸がいやに細かい部分まで浮かんでいるので、多分その下に下着等纏ってはいないだろう。

「さて、それじゃあ脱がしてくれるかな?それとも、君が脱がして欲しいと言うのだったら手伝うが……」
「あ、じ、自分で脱げます、からっ」

明るく楽し気ながら両手をわきわきと空中で揉む動きを見せ付けている姿。爛々と輝いている縦に裂けた瞳孔と合わせて思った以上に怖かったが、自分で脱ぐのも飛び込む事になるのでまた別のベクトルで怖い。
咄嗟に慌てた調子で自分の服を脱ごうと手に掛けた途端、その肩と脇腹に巨大な手が迫った。

「いやあ遠慮は要らないよ、何せこれから君には百発は受けて貰うんだからね……こんな事で恥ずかしがってちゃ、どうにもならないって」
「いや、な、ですけど、っ」

力の差は歴然としているものであり、体格差以上の力を持ち合わせているのは多分違っていないのだろうなとも思う、感じ取れる。
指の太さが見せる通りに比較的大雑把に、時々に上着やズボンから不安そうなびりびりという音を立てながら、人間の身体は下着諸共剥かれていった。
顔立ち通りに個性の無い、筋肉に包まれていないけれども目立った贅肉を重ねていない姿。
よっぽど食べ過ぎていない限りはほどよく筋肉も成長する種族が珍しくない獣人からしてみれば段違いに細く、同種族では見かけない程に肉も無く、

「いやぁ……こういう見た目だから人間の君が募集してくれて良かったよ、こんなにすべすべした身体に百発……」
「わひゃ、っ……」

早速一目惚れでもしてしまったかの様にライオンの声色はうっとりと甘い調子を携えた様な、猫なで声というには暴力的過ぎる渋さを込んだ声。
めきめきと音さえ立ち始めたスパッツの頂点には染みが浮かび上がっているのが分かる。併せてこっちから脱がしに掛からなければ持っていかれると本能が警鐘を鳴らし、

「隙ありっ!」
「っむぐぅぅぅっ!?」

手に掛けた途端に自らがズリ下げたかと思えば、頭を掴まれて全景を見るより先に口で味わわされるのだった。

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あきゅろす。
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