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短篇
情-7
初めて味わう事だった。優しくもてなされてから騙された感覚は理解している。そこまで優しくして貰っても、手荒に扱われても最終的には前立腺を潰される感覚のまま達してしまうのが殆どであったが。
犀人は自分に食事を与え、身を清め、ベッドの上へと運び。まだまだ日も高くて落ち切っていない時刻であったのも構わずに、ざらざらした分厚い掌と肉厚な平たい舌先が自分の身体を甲斐甲斐しく愛でて来た。

よく見ると部屋の傍らにも発情抑制剤のアンプルのストックも何も無く、こんな形で性欲を発散させる事でどうにかしているんだと思った。
大きさ以外は小奇麗に保っている部屋と空間でありながら、芳香剤では隠しきれない強烈な匂いが漂って来ている。雌雄の混ざった性臭が近いもので、饐えた風味はそれだけの人数と時間の経過した証。

「ふんぅ、むんっ!ああ、あんな反自然的な抑制剤よりもやはりこっちに限るなぁっ……!腰も止まらぬ、まだまだやれるぞぉっ!」
「きゃっひ、っく、んあぅぅぅっ!?」

ガニ股に足を開かされたまま、真上から真下に向かって突き下ろすような腰使いで濁った音と乾いた衝撃を同時に浴びせられてぐちゃぐちゃになっていく。
犀人の言葉から溢れる思想も気にならない程に激しくて、先走りの量はかなり粘っこいものが僅かに溢れて、腰の動きと合わせてローションの様に伸びて不穏な光沢を帯びさせているのだ。
張り出した下腹部も全身に纏った汗も理知的な物である様に見えて、荒っぽい割に遅漏なのかまだまだ溢れる様子も無く自分の前立腺と腸内を抉り削り掻き混ぜる。
分厚い皮膚越しに汗ばんで、更に腰の据わった杭打ちピストンとも形容すべき動きが自分を荒らす。

もう潮を噴き出したのも分からないくらいの絶頂と快感と痙攣が止まらなくなって、もう視界すらも真っ白になりっぱなしだ。
大胆に自分の会陰から鼠径部にまで叩き付けられるくらいの玉袋の大きさとが混ざり合うだけではない。その肉棒の形状の全てが、自分の全てを責め立てて来ている。

どこで聞いたのかも分からないが、犀人同士のセックスは孕まない方がおかしいとされる程に当たるのだと。
それを成しているのが本来の肉棒から、普段目にしているものとは比べ物にならない程に極まった肉棒の形状に関わっているのだと。人間らしい形状ですらない、犀そのものの肉棒の形だろうか。

「あぐっ、あひ、ひがぁあぁぁ!?」「っおぉぉぉっ、これだから人間の身体は良いものだっ……自然と腰も止まらぬ……ああっ、また壊してしまうかもしれないのにっ!」

両足にぐっと力が備わって、身体の内側の内臓までもが裏返されてしまいそうな強烈な刺激が何処までも襲い掛かっていってしまう。
それだけの荒々しい腰使いでありながら、時々捻られる肉棒は微塵も自分の身体の中から引き抜かれる事は無い。先端の方からぎゅっと開いて、そのまま奥まで押し入って来る始末。
大きく開いた肉棒の返しとも称される歪な左右の出っ張りが身体の中で開いて、どれだけ激しくやっても自分の身体の奥から離れないのだ。
先走りの量は絶えず流れ落ちて、既に空打ちとも精液とも知れない透明な汁ばかりが飛び出していく。

さっきの不穏な言葉も納得出来ている、このままでは本当に壊されるかもしれない。
だけどこのままの快感で居られるのなら、と思っていくのが一番まずい。絶対に絶対に駄目である、筈なのに。

もう腰使いと疼きを自分で止められなくなっていた。押し潰された前立腺を通り越して精液を吐き出していないのにずっと自分が絶頂している事だけが分かった。
今まではずっと自分を俯瞰的に感じて保っていたのに、もうサイチンポで狂っちゃいそうになっていた。

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