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短篇
情-2
乾いた音が鳴り響く。毛皮を纏った獣人であっても毛皮を通り越した固く発達した筋肉の感触が、尻肉に股間が叩き付けられる度に肉のぶつかる音が響き、少し間を置いてから股間にぶら下がっていた陰嚢がぶつかっていく。
こうやって犯されるのは初めてではない。発情期に人間が獣人に対して犯されるというのはそれだけ日常的で当たり前である。何とも皮肉であるけれど、それ以上にがくがくと激しく身体の方も仕上がっている。

「うおぅっ、ぐふっ、良いぞっ、良いケツしてやがるぞっお前ぇっ!」「はっ、はっあ、あぁぁぅぅぅッ……!?」

全裸で身体を揺さぶられながら、背中にはぼたぼたと大量の涎がこぼれ落ちていって獣の匂いが擦り付けられていくのが分かる。名前も素性も分からない狼人に。
犯されるのに合わせて空気と声が吐き出されて、尚も立派な狼の尖ったチンポが抜き差しされていく。大量の先走りが既に下半身にまで飛び散っていくくらいの量が吐き出される。
もう抵抗したら容赦なく爪が立てられるとか牙が突き立てられるというのはもう分かっている事。というか何年前かも分からないけど、何年前からどれだけ犯されていたのかも分からない。

「ひ、ひいっっ!いぎ、ぁぁぁぁっ……」「っおぉぉっ、良い、良いぞっ、オラぁっ、孕め……孕んじまえぇぇっ!」
「はぅ、あ……いぁぁぁぁぁぁ……!?」

これからが狼人の、犬科の獣人の交尾の本番であるとは知っている。もう何度も味わった経験があるからと、意識だけは何処か冷めている所があった。
身体に関してはもうどうしようもないくらいに全身が汗ばんでいるし自分の股間だって先走りが付き上げられる度に止まって来ない。震える身体は汗を纏い、それが背後から組み伏せている狼人の毛皮に吸い取られている。
一際熱い液体が自分の尻の中へと注ぎ込まれ終えた瞬間に、ぼこん、と根元が盛り上がって亀頭球が出来上がった。異種族相手では飲み込ませるべきではないと推奨されている。
推奨されているだけで、発情期に入ってしまったならば後はもう止まらない。前立腺を真っ直ぐに押し潰されて、また精液とも尿とも知れない透明な汁が噴き出した。

「ぐぅっ、おらぁぁぁぁっっ!」
「はっ、あ……あぁぁぁぁ……!」

意識は冷静なのに一瞬だけ真っ白になる。さっきの先走りさえずっと濃かったのに塊染みたドロドロの本気汁が瘤によって塞がれたまま、あまつさえ本気の射精を全力の咆哮と共に放つのだから手に負えない。
熱くて溜まってきてやがて下腹部が張り出してしまいには膨れ上がるのも分かっているのに既に亀頭球が収まっているのだから自分に出来る事は何もかも無くなってしまっている。前立腺を潰される快楽に悶えながら、次の誰かが来ないのを祈るぐらいしか。

「あぁ、あぁぁ……ぐるぅっ、ぐふ、ぐうる、っ……!」

本気の射精を放ち続けながら、やっと自分の身体を組み伏せていた身体の重たさが消えて、その分密着が増えたのを感じる。
狼人側にとっても数十分、人によっては一時間以上は優に続く本気の射精の間は無防備に近く、強引に引き剥がされたならばどっちも無事では済まないと本能が分かっている。
だからこそ自分の身体は組み敷かれるのではなく絡み付かれる。毛皮にべっとりと汗が滲み、放ってしまっていた自分の精液を汗塗れの腹に塗られながらも優しさがこぼれる。

「っ……がは……ひぅ……」

これで、本来の狼人らしく一途だったらどれだけ良かったのだろう。
連れ込まれた廃ビルの地下室、既に何人かの人影が尻から精液を噴き出しながら倒れ込んでいるのを見て、それが残念だった。
本当に。

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あきゅろす。
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