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短篇
半分-8
熱い匂いを感じるし、自分の身体をずっと熱くて堅牢な身体が包み込む様にして守られているのが分かる。身を起こす事も出来ない様な密着の度合いであったが、人間にとっては幸せであった。
既に精液は真っ白になって粘度を失っている時間であるだろう。どれだけ意識を失ってしまったのかも分からないが、まだ腸内にへばりついている精液の海は熱を保っている様だった。
それでも構わないと、尚も蜥蜴人の身体に寄り添い、縋り付きっぱなしになって暫くの平穏に浸る、

「訳無いでしょうっっ!これ、こ、これ、どう、どうなってくれたらこうなっちゃうんだよっっ!」
「そうはいっても後始末って必要だからよぉ……ずーっとヤりっぱなしってのも思ったが、流石にお前が破裂しちまうんじゃないかなと思って……」

ぼた、ぼたと音を立てて塊状になるまで煮え滾った精液が垂れて行くのが分かる。あれだけ深々と埋まっていた蜥蜴人の竿が緩やかに萎えつつあり、隙間が出来上がっているからだ。
意識を失っている間も立派に勃起をし続けていた蜥蜴人であったが、日が昇るまでずっと挿入しっぱなし。抱き締めながらずっと佇んでいる内に何とも言えない甘い感情が湧き上がり、そんな状態で性的な興奮が保ち続けられる筈もない。

「あぁッ……じゃ、じゃあもっと興奮して栓をっ…ぐふ、っひ、ぅぅぅっ!」
「うおっとぉっ……いやあ、そんなにうまくいかねえもんだな……」

未だに精液によって孕み腹になってしまっている人間が僅かに身体を動かすだけでも、ごぼごぼと音を立てて空いた結合部から大量の精液がこぼれ落ちていく。
ベッドの上から身体をどうにか動かそうと思った結果、白濁の塊が線になってベッドの上から部屋の中を半分程描いてしまっている。風呂場にどうにか行きたいが、それまでに破裂ではなく決壊していく事だろう。

「ひ、ひ、ひ、人の身体こんなに拡げさせておいてっ無責任、無責任だってっ!」
「いやそれは本当にすまねえな、すまねえかわ……ずーっと俺が離さないでいてやるからなぁっ……」
「く、ふ、だ、それはっ……嬉しい、けどぉっ……!」

色々とのっぴきならない状況であるにも拘らず、平然とそんな事を吐き捨ててくれる姿に恥じらいを見せながら悶えていく。
実にいじらしい表情を浮かべている人間を前にして、精液漬けに仕立て上げた張本人であるというのに朗らかな笑顔というのが湧き出て来るのであって。
血流が萎え始めていた肉棒が再び通い詰め始めて、びきびきと音を立てて再び人間の身体を押し上げていった。

「んひゃぁぁあっ!?な、なぁに興奮してっ」

その瞬間、押し上げられていた弾みで腸壁の内側に塗り込まれていた精液がまたひり出された。

「ああああもうぅぅっ!こうなったのも、もう、もうぅっ!」
「……ははは、思い付きでやるもんじゃねえな、本当に……」

流石に申し訳なさを感じながらも、移動させなければ意味が無いと思って風呂場へと人間の身体を抱えたい蜥蜴人と、落ち着いてからそっとやって欲しい人間との間で齟齬が生じたりもしたが。
結果としては風呂場に辿り着いて身を清める際に吐き出された精液よりも、その道中で溢れた精液の方が多くなってしまったのであった。

「冗談じゃあぁなぁぁぁいっ!」「本気で居てやるよ、これからもな……今度はディルドと一緒にやりゃあ栓を」「無理!!!」

【終】

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