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短篇
半分-6
声が出ているのかも分からなかった。腹部の圧迫感があり得ないくらいに突然に消え去って、次には身体が一杯に埋まっているのが分かる。
胸元までぱっと熱が伝わっているのが分かってもしかしたら、と本気の恐怖心がぞくぞくと走り抜けて、蜥蜴人のものとは違って各段に薄い精液の匂いが鼻を衝くのが分かる。
流石に貫かれてはいない。ほんの挿入だけで人間が達してしまったのだと理解をしながら、何気なく下を向いてみても普段の通りに蜥蜴人の竿の片割れが胸元まで届いては居ない。

代わりに、この上無い程に露骨に腹部が膨れ上がっているのが目に入り、両足の感覚がそのまま無くなってしまった様な気分に陥り。
呆気に取られた様な表情を浮かべている合間に、蜥蜴人が心底嬉しそうな表情をにいっと浮かべた。先の割れた舌先に絡む唾液の粘りと量は興奮している証。
ぎゅち、と音を立てているのが何処から放っているのかも分からないが、背中にまで腕が回って来て身体はしっかと支えられる。

「はっ……すっげぇ……マジで本当に、お前のケツの中に……二本とも入ってる、ぜっ……」
「……ぅぁ、あぁっ……と、が、ぎ、っ……!」

あまりの出来事と衝撃に頭の中で脳内麻薬でも一気に駆け抜けたのか、緩やかに腰を引くのではなく、挿入したまま身体を揺するのに合わせて腹部全体が蠢くのが分かる。
それぞれが屹立を伴って結腸の奥底まで二本の芯が纏めて通り抜けてしまった感覚が駆け抜けて、蜥蜴人の股間は既に人間の尻肉全体に密着しているのが圧が咥えられる股関節からも分かる。
理性を伴った状態で理解をする。当たり前の出来事さえも吹っ切れたのだと気付いた時には。

「わ、あ、あぁぁぁぁぁっっ……!?」「おー、こんなにきっつく締め付けやがってっ……もう堪んねえ、なぁっ……おぉ、っらぁぁっ!」

尻肉に宛がわれた巨大な掌で身体を持ち上げられ、圧し掛かる体勢から全身を抱き寄せられ、自重によって更に深々と嵌まる事は無い。最初から最奥に入り込んでいたから。
その分体勢が変わった事でぼこぼことまた腹部の形状が盛大に変わり果てる。両足をどれだけ暴れさせようとも逃げる事は出来ない。前立腺がどんな形状に変わり果てているのかさえも分からない。

「ぐひ、っふ、あ、あぁぁぁっ!?」「はっ、がっ、すげっ……!もう止まらねえなぁぁ……っぐ、ぅぅぅっ!」

二本の竿の隙間から溢れる空気が音を立てているのかぐじゅぐじゅと激しく響き渡っているのが分かる。声にもならない。
人間の竿から飛び出しているのが精液なのか潮なのか、それとも失禁してしまっているのかも分からない程の衝撃が、悪い気分ではないというのが最も酷い出来事であるのだろうかと。
身体の奥まで潜り込んで抉り抜いて、それ以上の刺激にもう何もかもが分からなくなっていく。先走りが塗り込められた事でまだ腰使いが激しくなる。身体を揺さぶられながら、頭の中まで掘削される様な。
がくがくと身体が痙攣してる事に気が付いた。これを快感として受け止められるのならば、きっともう戻れなくなる。

「このまま俺のオナホになっちまえよ、なぁっ!もう俺お前の事を手放したくねえわっ!」
「っひ、ひぐぅぃぃぃいっ!?」

蜥蜴が元々変温動物だと信じがたい程に熱い。がっちりと全身に固められた筋肉は一切の猶予も動作も許してくれない。
身体を抱え上げられたまま固定されて、両手足をどれだけ暴れさせようとも止まらない。先程の言葉の通りに、蜥蜴人のオナホールへと開拓されて。
気が付けば口元から喘ぎが溢れているとも、気付くのはもう少し先だった。

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