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短篇
半分-5
酷い目に遭ったと思っていたのは最初の一週間も経っていないだろうか。自分の身体、尻孔が更に使い込まれて弄られ放題になって、それでも快感を感じられるのは恐怖を通り越した何かがある気がする。
部屋の中に置かれていた芳香剤は一段と香りを強めていて、あのディルドを買ってしまってから二月程で開発が済んでしまったのが良いのか悪いのかは分からない。

「……すっかり、飲み込める様になっちまったなぁ……こうなるなんて思いもしなかったが……今のお前からも、すっげえ良い匂いがする…」
「っふ、ふぅぐ……ほ、褒めてる、のかっ……あぐ……ぃ……かふ……」
「褒めてる褒めてる……肘まで飲み込んでくれるなんざ、本当に信じられないもんだからなぁっ……」

ぐりぐり、と片手の指がばらばらになって撫で回しているのは、人間の腸壁そのものだった。これだけ弄ってもまだ凹凸と襞肉と呼べる段差が存在している事に純粋に驚き、
潤滑液を丹念に絡ませているとは言えども、鱗と屈強な筋肉に覆われた腕であるのだ。動かす度に腹部そのものがぼこぼこと形を変える程には薄い膜の中を自在に好き勝手しているという実感が沸いて来るのだ。
ここまでやった後で、ほんの僅かな背徳感が蜥蜴人の中から溢れ出る。それ以上の征服欲と興奮とが合わさっているお陰で紛れているだけで。

「っうあ、あぁぁっ……!?」

人間にしても同じ事だろう。ここまで拡がってしまった恐怖心よりも腸壁を擦り上げられて溢れる快感の方が強まってしまっている。尻孔が疼くだけで先走りは駄々洩れになる。
前立腺も纏めて開発されている弊害としてぞくぞくとした快感が常に走り抜けている様に全身に襲い掛かって、玉袋がじんじんと痛んでいたのもすっかり慣れたものだった。精液の量も濃さも増している。
玉袋も大きさを増した様な気がするし、それ以上に気掛かりなのは尻肉全体が丸みを帯びてふっくらしているのだと蜥蜴人が言い張っている所だった。度重なる衝撃が内側から与えられ続けた事によるものか。

今更元に戻るには拡げた以上の時間が掛かるのだと実感を抱いてしまったまま、握り拳が入り込んだ刺激に合わせてまた精液が溢れ出す。
完全に勃起していない緩く屹立しただけの肉棒であるというのに、精液のどろどろとした濃さは据え置きだった。自分で擦り上げる事よりも、ディルドによる刺激が重ねなければ絶頂出来なくなっている。
これも確実に何かが狂っているとの証拠なのだろう。それでも快感の方が勝っているから、結局は沼に沈んでいく。

「あ……ぁ……」

ずぼん、と音を立てて腕が丸々引き抜かれても、完全に閉じ切っていない腸肉が暴れるのが感じる。これから先に何が待っているのかというか、何をぶち込まれるのかも知っている、理解が行ってしまう。
いつもの癖で完全に掃除してしまった身体にベッドの上まで整っていて、その上に今まで膝立ちになっていた蜥蜴人が乗り掛かって来るのが見える。腹筋よりも先に縦に連なっていた肉棒の方が見えた。裏筋の血管の形状だって覚えているし、匂いは嫌でも染み付いて来る。
ローションが必要無いくらいに先走りはぼたぼたと流れ落ちていて、ベッドの縁と床まで垂れているのが見えたが咎めるだけの余裕は無い。
両脚が掴まれる、尻孔に突っ込まれていなかった方の掌もびっくりするくらいに熱くなっている。

「思ったよりも我慢して……は居なかった気ぃすっけど、やっとぶち込めるんだな、お前の中に二本纏めてよぉ……」
「…………」

蜥蜴人の腕よりも太くはないとは感じ取れるが、二本纏めて、となると話は別であるのだろう。擦れる感触と熱気は孕み、今まででもひいひい言っていた精液が単純量で二倍程叩き込まれる訳なのだ。
怖い。死んでしまうかもしれない。なのに興奮は、全くと言っても冷めない。

「……は、やく」「……え?」
「いれ、て……」「…………」

そんな言葉にただ蜥蜴人はにっと牙を見せて笑い。
そのまま腰へ加える力は一切の遠慮は無いものだった。

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あきゅろす。
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