[携帯モード] [URL送信]

短篇
やてたご-7
「っぐ、くうぅぅぅ〜っっ!!???!?」
「うっご、っぉぉぉっ……っっ……はぁぁっ……止まらね、えっ……!」

両足が本当に備わっているのかさえも分からない衝撃の最中で、ぐじゅぐじゅ、と注がれていて、尻孔から飛び出した黄ばんだ精液の海を掻く。
縞模様の備わった肉が引き絞られ、斑模様を絡めた両腕ががっちりと下腹部が丸々と膨れ上がった人間を逃がしてくれない。胃袋の中まで逆流してきそうな熱気の奔流。
獣人本人も先程の射精が四度目か五度目か、それとも桁数が合っているのかどうかさえも定かではない程に興奮し、脈打つ度に陰嚢全体が二回り分は縮み上がって、生々しい音と共に人間の腸内を、
現在進行形で作成されつつある子宮、卵管、卵巣の中までも既に濃密な子種と精蟲が襲い掛かっている。常に新鮮なものが流動して、丸々と膨れ上がった腹部から注がれる度に精液が注がれる。

人間の身体が母体になるのに、精液を噴き出す量と密度が、さながら獣人の精巣をもう一つだけ増やしたかの様な情欲と劣情が好き放題に叩き付けられ続けた。
それでも止まらない。獣人も止めようとか、僅かにでも母体の事を気遣う様な気分さえも掻き消えていく。孕ませたい。残したい。好きなだけ吐き出して、狂わせてでも注ぎ込んで、完全な雌に仕立て上げたい。

「ぐるるぅうぉぉぉぉぉおおおおおっっっ!!」
「が…っぼ、ぐ、あぁぁぁぁあっ!?」

お互いの咆哮が混ざり合う程の射精と絶頂が人間の身体の中だけで渦巻いて行く。陰嚢の滾りは、獣人本来の熱気も全てを叩き付けてぶちまけたがっている劣情さえも人間の中に全て叩き付けようとしている様な。
今更どうする事も出来ない。無数の返しがどれだけ腸内の裏側までも引っ掻き回す刺激に開発を施されようとも、思いっきり引き抜かれて尻孔から精液が塊となって噴き出す前に、人間の全身に向かって精液を浴びせられようとも。
そんな調子で既に上半身までもどろどろの精液によって包み込まれた状態で、息をする事すらままならない程の射精とマーキングが繰り返されていた。噎せる程の雄臭であったが、呼吸をしなければそのまま窒息してもおかしくない濃さを保っていた。

まだ妊娠もしていないのに腹部の内側には血管が走り、更に腹の中、より顕著な内臓の内側全てが精液によって満たされて、きっとへばり付いたらもう後はどれだけ身を清めようともどうする事も出来ない程の射精が、絶頂が、放出が止まらない。
泣き喚く為に開いていた口にもいくらかの塊となったまま流れ込んできて、喉を鳴らして飲み込まなければならなかった。
前立腺を含む腸内の形状はおろか、骨盤までもが軋みそうな律動であっても、きっちり根元まで受け止めなければ満足しない身体となっていた。
肉棒とも陰嚢とも、或いは獣人でも人間のものでもない鼓動がどくん、どくんと思いっきり身体の奥底で芽生えたと理解した時でも、獣人は気が済むまで犯し続けていた。




「……事情は知らないものですが、思ったよりも成長が早まっているみたいでしたね。お陰でホルモンバランスの変化も急に出て来たもので、先日の不調はそれ由来でしょうが」
「…………」
「ちゃんと貴方の仔が芽吹いたみたいですよ、良かったですね」

気が付くと、本当に溺れ死んでいなかったのが奇跡的と思わしき人間がどろどろに沈んでいる事に気が付いた。慌てて取り上げるのが一瞬。
全身を洗い流すのに二時間弱。匂い消しを含む部屋の掃除に三日。微熱が出ていた人間に対して大騒ぎをしながらも産婦人科付きの大病院に駆け込んでから三日程経過して、やっと人間は自分の目で天井を見上げられる。

「……何か、こう」「……何ですか?」
「……泣きそうだ」「どうして……」

嬉しい意味だと獣人が訂正する間も無く、それからものの半年程で人間の髪色は艶を増し、身体は丸みを帯びて、胸も張り出し。
それ以上に腹部には、確かに丸く新しい命が芽生えてしまっていた訳である。

[*前へ][次へ#]

7/9ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!