短篇
4
男は鰐人達によるリレーを一周し終えて、再び大将の胡座に座らされている。
「……だいぶん暑そうだが、服を脱がないのか?」
「…暑いけどね、あなた達のせいで今汗出てるんだからね」
額に浮かぶ汗を袖で拭い男が返す。あちこち揉まれている内に、身体はすっかり汗ばんでいた。
「良いじゃねぇか、どうせ俺達も裸みてぇなもんだろっ」
上機嫌に大将は男の服に手をかけ、脱がそうと試みる。
「流石にこればかりは無理!だから諦めてーっ!」
男は勿論、今までの生活の間で兼ね揃えた常識に基づいて必死で抵抗する。
しかし世の中の一般常識の中には、まったく反りが合わないものも存在する。
「……大人しく脱がねぇなら、無理矢理脱がすぞ?」
「……はぁっ?」
「そんときゃ、服がただの布切れになっちまうかもなぁ。さあ、どうする?」
そう言って大将は、爪を見せ付けてニヤリと笑った。
「ほぉ…肌の色が薄い…カワイイねぇ……」
「……揉むなっ…」
「いやぁ、久々の客だからこその多少の……『手厚い歓迎』か?ハハハ……」
こうして下着一枚だけの姿になった男の身体を大将がごつい手で撫でる。恐らく反応を楽しむために。
「痛っ…!」
「それにしても人間とか、何で男も女も胸にこんなんくっついてんだ?」
男の胸の先端に付いた突起を指で潰しながら、尚も大将はにやけている。
「固くなるのも、なぜかは解らねぇしよ……」
「もう…触らないで貰えますかっ……」
男の息は荒くなって、どうにか大将の腕を押し退けようとしているが、少しも動かない。
それを周りの鰐人は酒入りの杯を片手に愉快そうに見ている。
「…あれ?人間、お前……」
大将の脇でじっと見ていた鰐人が、男の下着に不審な盛り上がりがある事に気付く。
「…おぉ?こりゃまさかなぁ……」
「……んぁぁっ」
大将もそれに気付いて、その膨らみをやや強く握ると、男が声高に喘いだ。どくどくと血の通った、固く熱い感触がする。
「……確か、人間とかのチンポは外にぶら下がってるらしいっす」
「…てことは、気持ちヨクなってるのか……」
男の身体は服を脱いだのに、また汗が染み出している。
首筋の汗を舐め取って、大将は笑みを浮かべた。
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