[携帯モード] [URL送信]

短篇
サクサク-6
最初に目にした時には到底入りはしない物だと思っていたのに。実際に自分の尻孔の中へ捻じ込まれるその時まで恐怖と驚愕が満ち溢れていたのに。
今となっては、奥まった箇所を突かれて強引に腸内の形状が真っ直ぐに正されるかの様な圧迫感さえも快楽の一つとして捉えられる様になっていた。
生臭いばかりだった肉棒を口に咥えられる感触さえも仄かな苦みと強烈な雄の臭気とが美味であるとまで思える様になり、歯をぶつけずに下と唇と口内をうまく使って牛人の肉棒を脈打たせる口技まで覚えていた。

「ふっ、ふぅぅっ……やっぱりいいもんだな、ぁぁっ!」
「んごっうぅぅっ…ぐ……んんーっ!」
「喉まできゅうきゅう締め付けて来やがってなぁっ……窒息したなら悪いな、残業代弾むからよぉっ……!」

獣人二人に文字通り前後を塞ぎ止められて挟み込まれいるのに、感じるのはモフモフに包まれた長毛ではなく、短い毛並みの中に存在する頑健な筋肉と、獣染みた肉棒の感触ばかり。
腰をがっしりと掴んで馬人に背後から貫かれながら後頭部を緩く抑え込まれて、何度も牛人の股間周りの唯一毛足が長めの陰毛らしき部位に何度も顔がぶつかっている。仄かな汗と獣の匂い、喉奥まで捻じ込まれる肉棒から先走りが食道に溢れる。
ばちん、ばちんっ!と音を立てて揺れ動いた睾丸が叩き付けられていたが徐々にせり上がっている感覚、軽く人間の身体を爪先立ちにまでさせながらも一切止まらない腰使いの激しさ。

ぎゅっと自分を掴む力も強まって、牛人の肉棒が脈動して先走りの量も熱気も粘っこさも増して本気で此方の喉元を塞ごうとしているのが分かる。視界の端に見える睾丸が縮こまり、一気に絞り出されるかと思った瞬間。
一際深いストロークで完全に亀頭が存在せず、先端がラッパ状に膨れ上がっている馬並みの肉棒が引き抜かれ、今まで押し込まれていた分人間の腹部は僅かに凹み。
次の瞬間、ばちぃん、と音を立てて完全に股間と尻が密着し、再び人間の下腹部が盛り上がる程に深い深い挿入を放った途端に。

「ぐぅっ、ぬぉぉぉおっ!!」「お、俺も出す、ぞぉぉっ……」
「ぐっ……ふぁぅぅ……ごぶ……ぅ……!!」

室内であっても隠しきれない嘶きと、歯を食いしばっての呻きによって前後を挟まれっぱなしのまま、本気で孕ませたがっているかの様な射精が同時にぶち撒けられていく。これもまたいつもの様に。
一番の変化があるのは人間の股間に嵌められていたコンドームが最初で、押し出される様に精液が先端の液溜まりを満たして先端が膨れ上がっているのが分かる。分厚く頑丈な造りは挿入される為ではなく、破れるのを防ぐ為。
そんな人間用のコンドーム一つだけでは到底間に合わない程の量と熱さと重たさをもって、獣人の精液が前後の口、両方の穴へと流れ込んでいく。快楽に頭の奥まで焼かれてしまいそうな勢い。そして遠慮のない放出。

「あぁっ……ちゃーんと全部残さず飲んでくれるなんて……本当に嬉しいもんだなあ。あいつだって牙の端とかからこぼしてるのに……」
「ケツの方も締めてくれてるんだから嬉しいなぁっ……まだまだ人も余ってんだ、これで緩くなんてなってくれないでくれよなぁ……っ……」

どぶどぶと音まで立てて人間の喉元へ直接流し込まれる牛人の精液を、以前の様に逆流して噎せ返って窒息したりなんて気配も見せる事無く、快楽に焼き付いた表情のまま喉を鳴らして飲み込んでいる姿がはっきりと見えている。
先端自体はそこまで太いものではないが、それも人間の慣れとそれまでの指導があってからこその事だろう。あと人間本人の素質と、ここまでされて逃げない本来の性癖とも言えるべきもの。

「うあぁぁっ…あ……ひぃ……ん……」

腹部から不穏な音が溢れそうになる程に、明らかに腹部が張り出す程の量がたっぷりと馬人の肉棒から溢れて注ぎ込まれている。根元の太さから外側に溢れ出しはしないし、睾丸は最後の一滴まで注ぐために何度も脈動する。
やっと収まりがついても肉棒自体は中々萎えず、ついでに言えば引き抜かれる予定もありはしない。まだまだ精液を吐き出させる訳にはいかない。そこら中には用具も転がっているし、匂いを染み付かせる訳にはいかないから。
当然ながらこんな用具置き場の中で行為に及ばなければいいのではないか、という真っ当な答えは彼等に通用する筈はなかった。

やがて用具置き場の扉が開かれるが、特に馬人も牛人もそこまで気にはせずに自分の両耳を動かすばかり。中に掛けられた時計からすれば、当然今しがた訪れる二人は決まっている。

「おぅっ!もう一発ぶち込んだばかりってか……腹の方も大分柔らかくなったんじゃねえかっ……?こんなに膨らんじまってなぁ……」
「俺でヤってる時にゃこんな感じにはならなかったですからねぇ……やっぱり人間の毛のない身体って良いわぁ……」

黒犬人と獅子人はそんな言葉を語りながら、扉を閉め直した途端に自分の衣服をそれぞれ脱ぎ去った。

[*前へ][次へ#]

6/10ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!