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短篇
悪良丸硬-8
段違いでは無くて規格外、それ以上に凶悪であり、息すらも出来ない様な圧倒的な質量によって満たされている。
本来の人間の腹部は特に引き締まっている訳でもないが割れてもいない平坦な作りであった筈であるのに、びくびく、と小刻みに震えながら丸く膨らんでいた。
合わせて身体がぞくぞくと震えているのは、完全に屹立し、瘤まで膨張しきった狸人の剛直が人間の身体を胎内から押し上げてくれているから。
どれだけ力を入れようにも完全に逃げられない。もしも強引に引き抜いてしまったのならば骨盤がずれるか、完全に人間の尻孔が開きっぱなしになって戻らなくなるかもしれない。

「が…はぁぁぉ……っふぐ…ぎ…あぁぁぁ…ぁ……!」
「うぉっ、ぐふっ…どうだぁ…瘤が萎むまではまだまだ時間掛かるからなぁ…それまでずーっと俺のチンポを咥えっぱなしでいるんだな、っ……はあぁっ……!」

と、狸人が堂々と言葉を語っている間にも、大量の精液がどぼどぼと人間の腸内から逆流したがっている程の熱量と濃厚さで注がれ続ける。
濃厚さに関しては先走り以上。ただでさえ糊の様にごってりとして人間の中にへばりついた所から決して落ちない程の濃さと熱気を備えていたのに、精液そのものはそれ以上の重たさと濃厚さに満ち溢れている。
純粋な液体である事さえも程遠い、完全な塊状になって一繋ぎの、例えるならば人間の腸内で好き放題にのたうちながらその身体を満たそうとする蛇か、それともスライムか。

今でも目一杯に胎内を満たして止まらなくなっている剛直は血管をより太く膨れ上がらせていて、別の生き物めいて人間の身体の中で今でも好き放題に暴れ回っている。
ごぼごぼと音を立てる。脈動に合わせて人間の身体ごと細かに震えて止まらない。今でもポンプの様に小刻みに収縮を繰り返しながら、既に大量の精液が詰まったままの人間の身体へ子種を延々と満たしていた。
いつの間にか体勢も変わり、折り畳んでいた狸人の身体は離れ、人間の身体の両脇に狸人の両足が添えられた状態。精液と潮で汚れた腹部がそのまま丸々と膨れ上がった状態で、既に人間自身の竿も結合部さえも人間の視界からは目に映らなくなっている。
丸く膨れ上がった腹の中は、当然ながら狸人の精液のみで満たされて、猛烈な熱気と滾りが今でも収まる事を知らない。破裂してしまわないだろうか、という感覚と絶望が、それ以上の熱気が臍の下でまた弾けるのが分かる。
既に人間の肉棒は完全に反り立ったまま、透明な潮までも搾り尽くされた様にびくびくと脈動するだけとなり果てていた。

「おらぁっ…っふへへぇっ……これでお前は、立派な俺のザーメン袋になったってぇ事よ……」
「あ……ひ……っひぃぃぁ…ぁ……」

ぐじゅり、と小さく腰を揺さぶって来る刺激に合わせて、腸壁全体と精液で膨れた腹が纏めて揺さぶられるのが分かる。心底満足そうな表情を浮かべながら舌を垂らす卑猥な表情を浮かべる狸人からの言葉に、自然と自覚が溢れて来る。
そんな筈が無い、といった気分までも纏めて吹き飛ばす自分自身の孕み腹が揺れる姿に、驚きも隠せないまま何度も淡い空絶頂に至り、完全な精液袋溶かしている自分の腹部を、未だに完全に栓が施されている腸内で竿が脈動する感覚を何度も味わう事になった。
僅かに身体を動かす度に腸内の肉が縮み上がり、その度にぎゅうぎゅうに満たされていた身体の奥が疼き、引き締まり、ぶるっと震える感触をどこまでも伝えて来る。狸人も余裕が無いというよりは、肉竿の巨大さと腸内との余裕に縮み上がったまま僅かにしか動けない様だ。

そうはいっても、狸人には今の状態から強引に掻き混ぜて瘤で抉る程には惨たらしい性格を持っていなかった。
人間についても意図的に腸内を引き締めてやったり、身体を動かして狸人への刺激を強められる程の余裕はなく、狸人の身体と布団を介して、小刻みに汗と精液に塗れた身体を震わせる事しか出来なかった訳だが。
精液の放出量自体着実に目縁しており、溢れていないだけで人間の身体は今の所破裂する心配は無くなった、というのは何となく理解出来ていた。じわじわと熱気に満たされ切ったとどめの様に、残滓を搾り出して肉棒が脈動していた。

「あぁ……っふぅぅ…っ……本気で出しちまったのは、本当に数えられるくらいしか居ないからよぉ…ありがたく思ってくれる…んだったらまあそれはそれとして、へへっ…良い顔になってんなぁ……」
「くぁ…ぉ……そ、んな事…今更言ってくれたとしてどんな反応したらいいのか…っ……」

射精が収まってきてからやっとまともに話を続けた狸人を他所に、あれだけ巨大だった玉袋が凝縮された様に縮こまっているのが分かる。それでも立派な大きさの部類に入るが、それだけの量が人間の胎内に今でも留まっているという事。
それでも、膨らんだ腹を潰してしまわない様に位置を微妙に調整しながら迫って来る狸人の姿に、汗を舐め取って綺麗にしようとしてくれている振る舞いに、何とも言えない温かさが溢れている気がした。
今でも息苦しい程の精液腹に、そんな気遣いが確かに嬉しいのだ。全て狸人の精なのに。
所為なのに。

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