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短篇
悪良丸硬-5
「思ったよりも嫌じゃないのは、どうしてなんでしょうね」
「おまっ……そんな事急に言ってくれるなよなーっ!全くよぉっ!」

照れ隠しとして背中をばしばしと叩かれる痛みを感じながら、狸人の部屋に既に連れ込まれているし、何だったら服までゆるゆると脱がされはだけさせられてしまっている状態だった。
部屋の間取りは人間が借りている部屋の隣であるので当然の事ではあるが同じ、机も何も無い代わりに部屋の中央に巨大な布団が敷かれていて、隅にテレビやらが置かれていたり服が吊られている区画があって、と生活感が十分にあり過ぎる程。
人間の掌でも余裕で握り込める程の大きさをしたゴミ箱の中身を満たす球体がアルコール飲料の缶だったものと気付いた時には、胸を揉まれて身体を大きく戦慄かせてしまった。

「っんふっ……男の胸なんて揉んだって、そんなに気持ちのいいものじゃ…な…いでしょうにっ……ぬくぅぅ……」
「人間の身体ってのは体毛の少なさとかが気になるんだよっ…手触りもするするして悪いもんじゃねえし、お前さんの身体にゃそんなに毛も生えてないしな、へへっ……」

毛先自体は太くて立派な物に思えるが、毛並みの感触はしなやかで遠慮なしに狸人の両掌が身体を撫で回して擦り上げて来る。丁寧にブラシで掃かれる様な気分。
先程の言葉から一気に上機嫌になった狸人の手の動きも存外早いものとなっていて、背後というより尻肉辺りを押し上げている熱を帯びた何かもはっきりと存在感を主張してくれているのが分かる。
自分の身体に興奮している。同性の肉体を触ってここまで発情とも言うべきか、うなじ辺りに感じる鼻息も荒っぽくて。変な気分が興奮だと、気付てしまう事になる前に。驚きと驚愕の中で、ついに狸人が人間の股間に手を伸ばす。

そこだけは、という気分には相変わらずなりはしなかったのはどうしてなのだろう。考えているより先に、他人からの刺激によって露骨に身体に変化が訪れている、はっきりと言ってしまえば股間で存在感を主張しているのは人間も変わっていない。
人肌よりも体温の高い毛並みの感触がじわじわと身体を芯から温めて来ているのが分かる。同時に脇腹や背中、際どい箇所を遠慮なく、反応する度に意図的に刺激されていく感触が溢れて止まらなくなっているのもまた同じ。びくびくと震える身体の中、ついにパンツまでもぽい、と捨てられて丸裸になった。

「っあぅ……ぅ……っっ……!」
「ちゃんと反応してくれてるんだなぁっ…へへへ、これから先はもっと気持ち良くさせてやるからよっ…と!」

既に血が通い詰めて勃起している竿を中身の詰まった様な肉球のざらついた感触で一度だけ撫で回された次には、人間の身体は一瞬だけ宙に浮き上がる。
同じ男であるというよりは予想外の掌の巨大さか、腰を掴んだまま特に痛みも無く身体を持ち上げられて、次には身体を反転させて頭から巨大な敷布団の上へと落下していた。
所謂ちんぐり返しという恰好を取らされて、開かされた両足の隙間から心底楽しそうな狸人の顔が覗いている。だらり、と見せ付ける様に涎の滴る長い舌を垂らし、天井を眺めながら、そのままぐっと顔が迫る。

「そんじゃあ美味しく頂くとすっかぁっ…んむ……ぐふふふふぅっ……!」

何をされるのかは分かっていたが、それ以上に溢れるのは快感とざらついた獣の舌先が触れ、念入りに舐め回す感触。ぞわぞわと背筋から走り抜けて、押し出す様に溢れる先走りさえも纏めて根こそぎ舐め上げられる。
最初に触れたのは鼻先で既に縮み上がっている玉袋に鼻息が浴びせられる感覚で、次には散々に見せ付けられて居た舌先が根元から先端を一挙に舐め回す。陰毛と舌先が触れてじゃりじゃりした感触と音が響く、亀頭の裏筋を責め立てられた途端に会陰に舌が触れる。
心底愉しんでいる籠った鳴き声を放ちながら一切の手加減も遠慮も、何だったら今の狸人には理屈さえも完全に消え去っている舌使いが乱雑に人間を責めていく。

「ひっふ……っんぁぁっ…あぁ……は…はぅぅっ……!」

戦慄く両足は何度も震えていたが狸人によって抑え込まれて足を閉じる事さえ何も出来なかった。今の狸人は荒々しい鼻息と舌使いをただただ叩き付けているだけの獰猛な獣とも取れる動き。
肉棒そのものから睾丸に会陰どころか、纏めて太腿に尻孔の表面まで遠慮なしに表面がざらざらとして長く作られた獣舌は唾液でべとべとに汚して来る。擬音で表すなら水気をより含んだ音まで撒き散らしながら、やがて舌と顔が離れる。
玉袋の裏側からか、尻孔からなのだろうか、舌先と繋がって居る唾液の糸が長く伸びて、布団の上まで唾液が染み込んでいるんじゃないか、と思える程に濡れている、が。

「臭い付け終わったんでこれから本番なっ…気持ちいい所ぜーんぶ舐め削ってやんよっ…むじゅるぅぅっ…!」

既に下着一枚の狸人は突き破ってしまうかと思える程に立派に股間を膨らませてテントの頂点を汚し、重ねられる唇伝いに、淡くほろ苦い味が人間の中に溢れて行った。

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あきゅろす。
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