[携帯モード] [URL送信]

短篇
サンドイッチ-9
人間がそこまで同性においてどの様にしてまぐわうのか、熟知している訳ではない。何も言われずとも、此方側からはライオンや龍の裏筋までしか舌を届かせていないのに。
自然と疼いてしまうまで、雄同士がどうやって欲求を満たすのか、おぼろげな感覚をそのままに受け入れた。何も言わずに、布団として上下からしっかりと挟み込まれながら、ライオン達はそれに応じる。
真下でしっかり体重を支えているライオンと、真上からがっちりと身体を押し付けて人間の密着を逃そうとしていない龍。互いに完全に同時に、解れきった尻孔へと先端をあてがって、一息に腰を落としたのである。

「っあぁぁぁああぁっ!?は……はっ……ぎぃぃぃ…ご…ぁ…ひ……ひぬ…っ、んじゃ……ぅ……」

身体を淡く戦慄かせながら、人間の下腹部はあまりの質量に、みちみちと入り口から裂けてしまいそうな肉と音を響き渡らせ、下腹部には肉棒の形状が浮かび上がる程に歪な盛り上がりを見せてしまってもいる。
今にでも嘔吐しそうな重苦しさではあったが、ライオンの肉棘が前立腺を深々と突き刺さる程に盛り上げ抉ってくれているからか、肉棒だけは既に透明な汁をライオンの腹筋周りの毛並みへと自然と塗り付けている。
命の危機さえも感じるが、それ以上に心地が良い。竿同士が狭苦しいとアピールしている様にぎちぎちと腸内で擦れ合っている感覚さえも走り抜けて、ごりごりと内側から圧迫がやって来る。

吐息も先走りも一斉に溢れ出して止まらなくなってしまっている様な人間の姿を前にして、ライオンは優しくその身体を普段と変わらぬ様に抱き締めながら、竿ばかりは従順に微細な動きに肉棘で腸内を掻いた。
龍も荒い鼻息を人間の後頭部へと浴びせながら体毛を背中にたっぷり密着させ、揺さぶる様な腰の動きをそのままに決して引き抜こううとはせずに奥の奥まで人間を抉りに掛かっていた。
時々にライオンが身体ごと揺さぶる事と合わせて、じゅぶぶ、と抉じ開けられた尻孔回りから泡立った粘液をはみ出させながら、人間の重たさによって勝手に深く竿が抉り、中へと収まっていく。
生理的な涙までもその両目に浮かべる姿にまたライオンは優しく抱き寄せ、鬣を両手で握り締めさせながら、やがて柔らかな睾丸が二つ、人間の尻肉と股間に密着し、完全に受け入れた事を伝えていた。

「がは…っ…はぁ…あぁぉ…ぉ……ふ……」
「これで全部入ってしまいましたね…よく頑張りました」「っんんっ……思ったよりちゃーんと中まで入ってくれたんだなっ!俺からしても嬉しいぜっ……」
「いぎぃぃっ……!?」

背面で龍が尻尾を揺らしているのか、尻尾のうねりに合わせて震える竿の刺激にまた人間は簡単に達してしまっている。
完全に密着しているのに竿の反りと合わせて腰だけは持ち上げられていると誤解する程の深さに、熱を帯びた玉袋と竿と合わせて下腹部全体に暑さを伝えている様でもある。
まだ完全に飲み込んだだけであり、一般的な、男女として行うにしてもまだまだ序の口であると本能が知っている、これから何をされるのかも理解出来る。
どれだけに激しい事になっていたとしても。言葉や全身を使って今更ながら拒もうとしても。きっと止まってくれないと分かりながら。今まで以上の事を考える事さえも出来ない程に、人間の頭の中は刺激と快楽に一杯になってしまっていた。

「が、ふっ……!?ひ、が、がぐぁぁぁ…ひ…ひっぬ…うぅぅぅっ!?」

頃合いを見計らって、上下から始まった腰使いに、ライオンの腹に密着していた下腹部は何とも歪にぼこぼことその形状を変えていった。
呂律の回らない声と自然と溢れる苦しさの中で、前立腺を全力で擦り抉られながら腸内が押し広げられる刺激に、必死で快楽を見出そうと弾ける。暴れようとする身体は、完全に挟み込まれて一切の抵抗をさせてくれない。
重たくスイングする玉袋が汗の浮かぶ尻肉に叩き付けられて湿った音が何度も鳴り響いた。先走りの熱気に結合部からこぼれただけの粘液がライオンをすり抜けて床まで汚す程の量が注がれていた。
まだ終わってくれないのではなく、竿の脈動に合わせて角度も変わる。玉袋が同時に叩き付けられる事もあれば交互に激しく人間の胎内を穿って止まらない。逃げられないまま、またしても人間は絶頂する。

とっくに精液は枯れて空っぽになった玉袋に変わって、透明な尿でもない潮までその竿から噴き出してライオンの毛並みをまたも汚す。仄かに精液の匂いが混ざった鬣が引き抜かれそうに握り締められ、小刻みに痙攣する身体から熱い吐息を撒き散らす。
飛び掛かった意識が惚ける快楽によって繋ぎ止められる間隔が狭まり、腰使いが早まるままに玉袋の引き締まった感覚が叩き付ける音を乾いたものに変える。間も無く自分の中に、放たれる。
決して戻れなくなるのも、全てを分からせられながら、布団達の動きを止められる者は、今はこの場にいなかった。

[*前へ][次へ#]

9/12ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!