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短篇
サンドイッチ-6
普段眠る時には全裸で眠る人の事をインターネット上の話やらで知ってはいる。勿論そんな趣味の話が実世界で聞ける訳でもなく、
人間に関してもそんな事は無いだろう、と今までの間ずっと寝間着に着替えて眠っていた、夏場は下着だけになったりもするが、全裸で眠るなんて思いもしなかった。

「ふっぅ…んぐ…ふぅぅぅぅ……ぅ……」
「んっぐ…すっげえくすぐったくて笑っちゃうなあこりゃ……どうだ?敷布団と比べてどうだ?」

今日は丸裸のままライオンの上に仰向けに寝転がされてから、その顔の上に普段と身体の向きを反転させ、股間を下ろした龍の睾丸がべったりと鼻と口を塞ぐ様に押し付けられる。
枕もシーツも使わなくなっていたが、寝間着も下着も風呂から上がった熱気が抜けきった身体から全て脱ぎ去られて、毛並みの上で龍の体毛の感触をこの上なくたっぷりどっぷりと味わわされてしまっている。
ライオンの鬣と鬣以外の短い毛並みとは違って、鱗の生えた身体に強引に纏っている様な重厚な体毛やしなやかでありながら毛足の芯が通った荒い感触と凸凹でつるつるの肉の隆起が、人間の前半分を擦り上げた。
自然に股間もしなやかなブラシめいた体毛の中に埋もれており、人間の身体を完全に押し潰してしまわない加減として表面にぐしぐしと擦り付けられる。完全に勃起した先端まで、胸毛の中に入り込んでしまった感触がする。

それ以上に人間を苦しめているのではなく、意識の中を一杯にしているのはその睾丸であった。やはりライオンとどうしても比較してしまうが、裏筋にもさもさと線を描く様に生えた様子はまるで睾丸が髭を生やしているかの様にも思えて。
滾りと血管の隆起もまた同じく実に強く、獣の臭気の中に毛並みの長さによって仄かに蒸れた臭気を宿し、それがそっくりそのまま人間の鼻先へと押し付けられているのである。鼻息を浴びせる程に湿り気を帯びて、唇と袋が熱烈に触れ合い続ける感覚。
ライオンの時と違って圧し掛かられる分だけ合わせて睾丸が押し付けられてしまっており、人間にとっては堪らない。風味の違いまで鮮明に解するが、立派な雄の臭気が遠慮なく満たして来る。溢れて来る。止まらなくなってしまっている。

「ふ、ふぅぅう…くぁぁ…ぁ……りゃ…や…あぁぁ……っ……」

昨日、ライオンの睾丸を味わされた時には寝間着を纏っていた事もあってどうにか我慢出来ていた思いが、全裸になって直接感じる触感に間もなく決壊するのが分かる。
雄の匂いにここまで反応しているのは雌でしかない、とライオン達にも、此処に来て奇妙なくらいの獰猛さを見せて来てくれた布団達によって露出させられてしまうのが分かっている。
見せてしまったならばきっと引かれるかも、軽蔑するのかもしれない。そんな思いが怖いのはいつだって誰でも同じなのだろう。喘ぎを途切れさせながら人間が考える、何が怖いのか分かっている。

この先、刺激によって興奮してしまったのならば、きっとライオン達は人間自身を受け入れてくれて。
柔らかな真綿でくるまれたかの様な慈愛のまま、まさしく暖かな布団の内側の如く全て受け入れてくれるのが、その先にどうなってしまうのかが人間の想像力の限界であり、

「い、ひゃ、あ、あぁー……っっ…あ……あぁ……ぁ……」
「おっと…こんなに染み込んじまったなあ、おい……」「全く、すっかりいやらしくなって…どうしてしまいましょうか……」

側面から人間の肌さえ見えない様な密着が続く中で、胸毛の中に埋まっていた人間自身の竿がぐぐっと立ち上がり、完全に屹立するよりも先にびゅるびゅると精液が黒々と生やされた毛並みの中へと一瞬注がれ、だらしなく竿にも垂れ落ちていく。
龍の表情は分からないが、ライオンはそんな人間の身体を優しく抱き締めながら僅かに腰を動かして柔らかな睾丸を尻肉へと触れさせて擦り付ける。精液の匂いまで立ち上って来たのか、あまりの雄臭に麻痺した人間には分からないが、ライオンも龍も感じ取れてしまっている、らしい。
腰が疼いて止まらなくなる。何が待ち構えているのか、びく、ぼごっと音を立てる様な勢いで睾丸が疼いているのを肌で確かに味わえる。落ち着かせるにも雄臭が溢れて止まらないが、呼吸を整えようと自然に思い切り吸い込んでしまった。

「はっぁぁ…ごめ……ごめん、なさぃぃ……」
「別にこのぐらい大丈夫なんだがなぁ…」「っん、ぶ、うぅぅぅっ……!?」
「そんな格好でずっと悶えているなんて…私も本当に興奮してきちゃいましたねえ……」

尻に向かって熱が押し付けられる。粘っこい何かまで擦り付けられて、空気が冷えずに熱気もじんわりと残ってしまっている。
顔の方はもっと露骨に、人間の眼前でもない。再びぐにゅぐにゅ顔の上で押しつぶされる睾丸が離れては、人間の眼前でその上側に出来上がった縦割れから、ずるり、と雄が飛び出した。
人間のものと比較したのならば、比べ物になる必要さえないくらいの、それぞれが立派な「雄」だった。

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