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短篇
熱々の話7
頭の中が心底飛んでしまいそうな感じを覚えるのもこれが初めてである筈が無い。
犬人がどうしようもなく溜まりに溜まっていた時や、人間の方が盛りに盛っていた時にこんな状態に陥った経験が無い訳ではない。
こうした純粋な交わり、それも初めて身体を重ねる、しかも強引に貫かれるだけであっさりと興奮しているのは、犬人に対して申し訳なく。
それ以上に滾る熱気は何もなくじわじわとした興奮と性感ばかりが高まって、溢れる叫びの中で背徳が紛れていた。

「っっ……はぁぁ…やっぱり中も最高です、ねえ…っ…ちゃんと二本とも根本まで受け入れられるだなんて、本当に良い子ですよ…」
「んあああぁぁ…や…りゃ、め…ぇっ……」
「それにやっぱり、中身までちゃんと解れているではないですか……興奮しているのも、違いない、でしょう?」

いつの間にやら目元から流れていたらしい涙まで、先の割れた舌によって舐め取られながら心底嬉しそうに蜥蜴人が言葉を紡ぐ。
合わせて脈打つ度に、それどころかほんの少しだけ腰が蠢くだけで無数の突起が腸肉に噛み付いてぞわぞわとした刺激を齎す。
声まで何も無く自然と溢れ出て、経験を重ねていた人間であったとしてもこれはあまりにも、酷く、惨たらしいくらいに新鮮。
身体の方はもっと正直で、惚けた言葉に合わせてもその逸物からだらだらと流れ続けている先走りが止まらない。

「っふっぐ、んぉぉぉっっ!?や、やあぁっ…だ、あぁぁぁぁぁ!?」
「ほら、もっとお腹に力を入れないと本気で中身が引き摺り出されるかもしれませんねえ…そうなったら、どうにかして押し込みますけど……」
「ふぁが、あぁぁぁぁっ!?だ、め、や、あ、ぎぃぃぃっ!?」

ずじゅるる、といったごつい音が結合部から響き渡っているとは人間にも信じられなくて。
溢れる声がどこまで激しくなっているのかさえも何も分からず、腰が動き始めれば人間の腸内は二本の逸物で同時に叩き付けられ、文字通りの意味合いで掻き混ぜられる。
強張らせながら失禁する様な量の先走りがどこまでも溢れて壊れたかの如く止まらない。布団に爪を食いこませるのが精一杯。

「あらあら、こんなに漏らす、だなんてっ……感じている、んですね、っ」

楽しそうに笑っているが余裕が無さげな蜥蜴人が腰を叩き付ける様に蠢かせ、股間を密着させたまま身体を揺らす快楽。
破滅的とさえも感じ取れる刺激が何処までも止まらず、引き抜かれる度に腸肉がまとめて引っ張り上げられる。
そして身体の奥底へと押し込まれれば、ぐりぐり、と再び左右に腸肉が開かれて人間の身体が開発された。
二度と戻れない様な気分と刺激を何処までも伴う刺激、叩き付けられる快楽、快楽。

ずじゅるるる、と音を立てて引き抜かれた時には尻孔は完全に閉じ切っておらずひくひくと僅かに引き出された肉色を剥き出しにしている。
奥から溢れる腸液をたっぷりと絡めてこそげ取っていた蜥蜴人の逸物先端からも先走りが粘っこく先端から側面に絡む。
心底嬉しそうで、やっと人間の腸内からの熱が合わさって仄かに湯気さえも立ち上っているのが見える、かもしれない。
人間にそこまでの気力が残っていれば、の話だが。今では逸物から水っぽい精液を散らしての絶頂を味わい、余韻に浸っている事しか出来ていない。

「はああぁぁぁ…や…あぁ……お、お願い、駄目…もう、本気で…壊れちゃう、からあぁぁ……」
「二本同時に飲み込めているのにきっちり考えるのは無駄な事ですよ…それにやってみないと、分からないでしょう?」

片足に蜥蜴人の尻尾が巻き付いて、高らかに持ち上げられながら人間の身体が側面に引っ繰り返る。
足を抱えながら更に蜥蜴人の身体が迫り、腸液を止められない人間の側面に、身体が触れる。体位の形も知っていて、左右に開いた逸物が滾る。

今までの間は人間の体内を左右に押し広げていた逸物が再び捻じ込まれるのだろう。
但し人間の身体はさっきの九十度程位置を変えられている。何を意味するのかも気付き、一瞬だけ目の中に戻った光が、

容易く掻き消されてしまうまでも、時間が掛かりはしなかった。

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あきゅろす。
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