[携帯モード] [URL送信]

短篇
熱々の話6
全てに気付いてしまった時には、その熱気が何も分からなかったもので、身体の方はずっと熱されるまで時間が掛かる。
とは言っても、押し倒された時にはその屈強さから決して逃げられないと分かるには十分過ぎた。
蜥蜴人の口元で踊る舌先にしても、柔らかな鱗に包まれていない首元の皮膚の感触も全てが。

「っひぃぃ…あ……や…やだ…ぁ……」

密着を良くしないのは犬人とそういった関係に当たっているから。嗅覚が鋭い彼には、そこまでの誤魔化しは効きはしない。
しかも今は夏場である。まさか自分の温かくてぬくぬくな体毛に包まれるのが暑苦しかったから靡いてしまった、と思われたならば。
そして凶行に走ってしまったなら人間にとってもよろしくない。が、強引な抵抗は身体の付け根を抑え込まれる様に、封殺される。

「貴方のパートナーの事…知っていますよ。同居人の事について、たまに話しているのを見掛けましたからね…」
「わ、分かってて手ぇ出すって、不謹慎っ…いや、趣味悪いじゃないですかっ」
「いえ、暑いから毛並みをどうにかしようとして周りに止められていましたからね…貴方がこうして私の所に、平然と来てくれたのも…暑かったからでは?」

じたばたと身体を暴れさせる摩擦と運動に火照る身体まで何とも嬉しそうな調子で身体を擦り付けながら囁く。
ひんやりした感覚がそのまま残っている人間の股間は服の中から完全に盛り上がって張り詰めた形状を見せ付けている。
今になって必死になり始めたのも、刺激に合わせて本気での快楽を味わってしまっているからだ。
犬人のそれとは違う、細かな毛並みの代わりにしなやかな鱗が先走りと唾液を絡めて、何も引っ掛からずぬるぬると責め立てて来る。
そう思っていたら鱗が僅かに逆立つざらつき、耳元から首筋に触れる長い舌がちろりと人間の味を確かめるくすぐったさ。

力が抜けるのに入れ直す事が出来ない。時々に触れて来る冷たい爪にしても、人間の動きと抵抗を阻害して来る。
次第に溢れる熱気にしても、冷や汗さえも出ない程度には身体の奥から熱が吸い寄せられている様な気さえもしていて。
蜥蜴人の衣服もはだけていき、小さく身震いする様子にまさしく寒がりなのだろう、と理解が行く。それだけ密着が強まるという事だ。

「ふぃぃぅ…あ…んん……!」

火照った身体に丁度良く全身が冷やされるありがたさと、手付きは緩慢な動きのまま先走りが泡立つ様に逸物全体を擦り付けられて。
甘い声を何度も溢れさせる、服も傍らに何度も脱ぎ捨てられて殆ど全裸に。まだ達していない、じらされながら先走りが尻孔に触れ、表面を弄り回される。

「やっぱり、とっても柔らかくなっている様ですね…良い仲なのですねえ…」
「ひ、ひぃぃっ…あ、く……わ、分かってるんだったら、ぁあぁ……」

趣味が悪いと思いながらもごく軽く弄るだけであっさりと人間の尻孔は日頃の経験からみるみる解れていく。
特に入り口周りは顕著で、表面を撫で回される間にも完全に閉じ切れなくなり、指を一本浅く捻じ込まれると中身の柔らかさまで完全に晒される。
当然、犬人との関係まで全てが露わになっている事の証明。歪にズボンを押し上げていた蜥蜴人自身の股間が解放されて、ぞく、と色気に浮つく瞳が見開かれた。

「これだったら無茶をしても良さそうですねえ…ええ、いざって時には面倒を見ますよ」

無数の返しが付いているのは猫科の様でありながら、先端にまで鉤爪の様な引っ掛かりが浮かぶのが露わになっている。
先端に滲む先走りも見事なくらいに丸々とした玉を浮かべていて、粘っこさまで見える。

それが、二本。柔らかな縦割れから左右に突き出されていたその先端が二本とも、ぐり、と解れ切った人間の尻孔に触れた。
冷たい、唾液を垂らされてから放っておかれた時の様な熱気とは違った滑りが既に尻孔に触れる。
どちらも犬人のそれと、亀頭球が完全に膨れ上がった犬人の物程ではないがそれが二本纏めてとなると、人間よりも長さも太さも段違いで表面の惨さはそれ以上で、

「っいぐ、ぐぐぅぁぁぁぁぁっ!!?」

左右に捻じ込まれた二本分が、挿入された途端にぐば、と腸内を内側から押し広げる様に左右の壁を抉じ開けた。
腸内の形状が歪めるかとも居ながら、ちくちくと触れる感覚が人間を喘ぎ啼かせ、
これが初めてという訳でもなかった逸物からは、弾みの様に跳ねて先走りが流れ落ちた。

[*前へ][次へ#]

6/10ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!